韓国で同一のメニューを配達注文する場合、店舗よりも高く販売する「二重価格制」が増えている。フランチャイズ側は配達アプリの手数料による店舗オーナーの負担が増したためだという立場だが、自社アプリを利用する際にも二重価格を導入しているのが実情だ。
ロッテリアは最近、配達アプリの手数料などによる加盟店の負担が増えたため、配達価格と店舗価格に差をつけると発表した。追加金額は、単品メニューで700~800ウォン、セットメニューで1300ウォン程度だ。
同社関係者は「手数料の引き上げ分を計算した結果、店舗オーナーの負担額が単品で平均700~800ウォン、セットで1300ウォン程度であった」と引き上げ額について説明した。
ロッテリア以外にも、バーガーキングやマクドナルドなどの複数のフランチャイズが価格に差をつけている。マクドナルドは2007年にマックデリバリーサービスを導入した際に二重価格制を導入した。同社関係者は「配達サービスに必要な諸費用を考慮し、配達メニューの価格を異なる設定にしている」と導入理由を明らかにした。バーガーキングも同様の理由で価格差を決定している。
韓国のバーガーチェーン「マムズタッチ」は一部の直営店で二重価格制をテストした後、導入するかどうかを決定する。
同社関係者は「配達の売上が30~40%を占める状況で、店舗オーナーの自己負担が非常に大きいという指摘があった。店舗オーナー協議会から二重価格制の導入を求められ、会社で検討中だ」と説明した。また「顧客にとって(価格の引き上げが)敏感な問題であるため慎重に検討している。まだ引き上げ幅や引き上げ価格については決定していない」と述べた。
配達アプリではなく自社アプリを使用した注文にも二重価格制が導入されている。バーガーキングアプリでテイクアウト注文をする場合、ワッパーセットは9100ウォンだが、配達注文の場合は10500ウォンであり、約1400ウォン高くなる。ロッテリアやマクドナルドなど他のフランチャイズも同様である。
ある業界関係者は「自社アプリを通じて配達する際にも価格を差別化せざるを得ない。自社アプリでも配達費が適用されるうえ、配達アプリと価格が異なれば公平性の問題も生じるからだ」と語った。
フランチャイズ業界は、二重価格制が慣行になるという立場だ。別の業界関係者は「フランチャイズだけでなく、小規模な商店でも二重価格制を適用している。アプリを使わなくても配達要員を雇わなければならないので、二重価格制は導入せざるを得ないのではないか」と述べた。
一方、韓国消費者院は2021年に、配達注文と店舗注文時に製品価格が異なることを明確に知らせるよう業者に勧告したが、ほとんど守られていない。勧告によると、配達アプリやホームページなどで配達時に価格が異なることを告知しなければならない。
韓国消費者院関係者は「該当事項はあくまで勧告事項である。二重価格制が法令や規定に違反するわけではなく、強制力を持たせるのは難しい部分がある」としている。
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