韓国原子力研究院は10日、ウランなどさまざまな金属が溶け込んだ溶液から沈殿反応を用いて90%以上の高純度ウランを抽出する技術を開発し、国内で特許を出願したと発表した。高効率なウラン抽出技術で、原子爆弾に使われるウラン235の濃縮技術とは異なる概念だという。
研究チームは特定の窒素化合物を使用して、ウランに選択的に反応する条件を導き出した。この条件に基づき、ウラン溶液に過酸化水素と窒素化合物を添加し、効率的にウランを沈殿させることに成功した。
溶液中にイオン状態で存在するウランを沈殿させ、ろ過することで、高純度の酸化物として回収することができる。ウランの抽出後に使用した添加剤は、水と窒素に分離して処理される。
研究チームは「最大95%の高純度ウランを抽出できる」と説明し、「従来の多段階複合工程で抽出したウランの純度(75~85%)よりも圧倒的に高く、世界最高水準だ」とする。
また、研究チームは「添加剤の注入とかくはん(混合による均一化)で工程を単純化した」とし「pH(酸度)のモニタリングによる制御が可能で、産業現場での活用性が高まった」と補足した。
研究チームは今後、海外市場進出および技術の先取りを目指し、世界の主要ウラン生産国で海外特許も出願する。
ウラン鉱石は、原子番号235が0.7%、238が99.3%を占める。235を約5%まで濃縮すると原子力発電用燃料となり、90%以上まで濃縮すると原子爆弾になる。そのため、混合された状態の鉱物からウランを抽出・精製することと、濃縮は異なる概念だ。
(c)KOREA WAVE