韓国で1338億ウォン(約136億円)規模の血液センター新築・改築事業が宙に浮いている。大韓赤十字社血液管理本部が関連予算を確保できなかったためだ。昨年、大邱慶北(テグキョンプク)血液センターで火災が起きて大量の血液を廃棄する事態となり、老朽施設の建て替えはますます重要になっている。だが、全国20カ所の血液センターのうち、スプリンクラーを備えているのは2カ所に過ぎない。
血液センターは血液を集めて供給する施設。
大韓赤十字社血液管理本部の資料によると、ストップしているのは、築44年になる釜山血液センターなど5カ所を新築し、大邱慶北血液センターなど2カ所を改築する事業。新築の費用は1280億ウォン(約130億円)、改築は58億ウォン(約6億円)だ。
老朽化した血液センターの改善計画は、安定的な血液需給システム確保のため2019年に策定された。だが、土地購入を検討する段階に入ったのは今年になってからだ。
大韓赤十字社の血液事業運営余剰金を活用する計画だったが、少子高齢化に伴う献血の減少、急激な物価上昇などで予算確保が難しかったというのが血液管理本部の説明だ。献血の呼び掛けなど広報費用が追加で発生し、献血関連物品の値上がりも響いたという。
昨年7月の大邱慶北血液センターの火災では、血液製剤約7000ユニットが廃棄となった。残った血液製剤も輸血には使えなくなった。国の監査では、血液センターの施設老朽化により、火災への対応が不十分だったのが原因と指摘された。
火災から約9カ月が経ったが、スプリンクラー設置状況は依然不十分だ。現在、5つの血液センターに設置されているが、そのうち3カ所は建物の一部のみで、スプリンクラーが適切に設置されているのは事実上2カ所に過ぎない。
血液管理本部は「老朽施設の新築・改築は大規模な資金と時間が必要なので関係部署の支援が必要だ。財政当局と協議する」と話している。
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