2024 年 11月 26日 (火)
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[KWレポート] アフター“兄弟の乱”ロッテはこう変わる(5) インドネシアが化学の拠点

ロッテのシン・ドンビン会長が9月2日、ベトナムのホーチミンで開かれたトゥーティエム「エコ・スマートシティー」着工式でホーチミン市のファン・ヴァン・マイ人民委員長に挨拶している(写真=ロッテ提供)(c)NEWSIS

モビリティ、デジタルヘルスケア、バイオ産業――。こうしたロッテの未来事業も、東南アジア諸国連合(ASEAN)市場への進出を急いでいる。

◇ラインプロジェクト

ロッテケミカルはインドネシアに事業費39億ドル(約5345億円)を投資し、2025年の商業生産を目標とする大規模石油化学団地の造成事業「ライン(LINE)プロジェクト」を推進している。

特に8月、ロッテグループのシン・ドンビン(辛東彬、日本名・重光昭夫)会長は特別赦免(恩赦)の直後、初めての出張先としてインドネシアやベトナムなど東南アジアを選び、「ラインプロジェクト」現場を訪ねた。そして自ら進捗状況を点検し、職員を励ました。

ロッテケミカルは2010年の段階で、マレーシア最大の石油化学会社「タイタンケミカル」(現ロッテケミカルタイタン)を買収している。同社は東南アジア市場の成長の可能性と、石油化学製品の需要増を見込んできた。

◇ナフサクラッカー

さらに、市場競争力の強化のため、インドネシアにナフサクラッカー(原油から精製されるナフサを分解し、エチレンやプロピレンなどの化学材料を製造する装置)を建設し、従来のポリエチレン工場との垂直系列化を達成する「ラインプロジェクト」を推進してきた。

子会社のロッテケミカルタイタンとの合弁で進めているラインプロジェクトは、年間でエチレン100万トン、プロピレン52万トン、ポリプロピレン25万トンなどの生産によって、年間20億6000万ドル(約2812億7240万円)を売り上げると予想される。

ロッテグループ関係者は次のような見方を示す。

「ラインプロジェクトはインドネシアで初のナフサクラッカー建設の事例だ。インドネシアは現在、石油化学製品の需要の50%を輸入でまかなっている。その貿易収支の改善とともに、現地の石油化学産業の発展への基礎を構築できるという点で意味がある。2017年にインドネシアのABS樹脂企業を買収したのに続き、今後、新規のABS工場への投資も計画している。インドネシアはロッテ化学部門の主要な海外拠点となるだろう」

◇エコ・スマートシティー

ロッテはベトナム・ホーチミンのトゥーティエム新都市区で複合地区「エコ・スマートシティー」の建設に9億ドル(約1228億円)を投資する計画だ。また首都ハノイに3300億ウォン(約344億円)を投資して建設している「ロッテモールハノイ」は来年完工する。今後もベトナムへの投資を継続するという戦略だ。

シン会長は9月初め、エコ・スマートシティー着工式に長男のシン・ユヨル常務と参席し、「今回のプロジェクトを基点として、ロッテグループはベトナムに対する投資をよりいっそう拡大する」と強い意欲を示した。

また、シン常務の事実上の海外デビューによって、シン会長が長男を「グローバル経営に本格的に参画させる」という考えを示した――こんな見方もできそうだ。(つづく)

(c)NEWSIS

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