
北朝鮮の代表的なビールブランド「大同江ビール」が、既存の商品群に新製品を加え、商品多様化に乗り出した。大同江ビールは海外にもよく知られた商品で、ビール商品の多様化は観光や輸出商品化も念頭に置いたものとの見方が出ている。
在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)機関紙「朝鮮新報」は「大同江ビール工場、新商品開発」と題した映像で、「最近、工場では新製品を開発して出したが、この知らせを聞いた国内外のビール愛好家の大きな関心を集めている」と宣伝した。
大同江ビール工場のキム・グムヒョク技術課長は「私たちはこれまで、麦芽と白米の異なる配合比率に基づき、1~8番ビールを生産してきた。今回、人民の多様な需要と好みを十分に満たせる9~13番ビールを新たに開発した」と紹介した。
新製品の中で最も目を引くのは果物風味のビールだ。リンゴ、梨、ブドウ、イチゴ、ミカン、マクワウリなど計10種類の果物風味を加えた製品が初めて発売された。このほか、そばと小麦を原料にしたビールも新たに登場し、このうちそば入りビールについてキム課長は「心血管の開通に良いルチンが豊富に含まれている」と紹介した。
北朝鮮の大同江ビール開発は、2000年に英国の醸造所アッシャーズが廃業した際、北朝鮮が生産設備を導入したことから始まった。キム・ジョンイル(金正日)総書記の指示で約20億ウォン(約2億2000万円)をかけて設備を導入し、これを基に2002年6月17日、平壌に大同江ビール工場を建設したとされる。
アッシャーズ醸造所は、ビールの本場とも呼ばれるドイツの機械を輸入していたとされ、北朝鮮のビールが特色ある味を出す基盤になったとみられている。
大同江ビールは金剛山や開城観光、南北会談などで北朝鮮を訪れた韓国人や、北朝鮮を訪問した外国人観光客の間でも好評を得てきた。一時は「ビールは北朝鮮のものが韓国ビールよりおいしい」との評価が話題になったこともある。
今回の大同江ビール新商品の発売は、北朝鮮が消費財の多様化と観光産業の育成を同時に進めていることを示しているとの分析が出ている。北朝鮮なりに最新トレンドを研究し、消費者の好みを細分化しようとする動きとの解釈だ。
北朝鮮は最近、「新都市」である和盛地区に大同江ビール専門のビアホールを造成するなど、ビールブランドを商品として多角化しようとする動きも見せている。
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