
「ブラジャーは肩紐のないものにしてください」「書き取りのバツ印に斜線を引かないでください。夫が怒っています」――。
米動画配信大手ネットフリックス(Netflix)で配信され世界的なヒットを記録しているドラマ「鉄槌教師」で、小学生の息子を持つ悪質な保護者(モンスターペアレンツ)が教師に浴びせる理不尽な苦情のセリフだ。しかし、こうした行き過ぎた要求や執拗な抗議は、ドラマの中だけの話ではなく、現実の教育現場でも繰り返されている。
SNSの「スレッズ」に、ある保護者による「長男の担任教師が突然2週間の病気休暇を取った。理由は何なのか。普通、突然休むには何か理由があるはずだ」という投稿が掲載され、波紋を広げた。教師のプライバシーに公然と踏み込む姿勢に対し、他のユーザーからは「過度なプライバシー侵害だ」と批判の声が上がった。
過酷な苦情によって教師が追い詰められる事例は後を絶たない。
慶尚南道(キョンサンナムド)金海(キムヘ)の中学校では2025年6月、1年生の体育の授業で生徒と一緒にスクワット運動をした女性教師が、保護者からの相次ぐ抗議や暴言に晒された。新婚だったこの教師は深刻な精神的苦痛から不眠症や不安症状を悪化させ、最終的に流産に至る痛ましい事態が起きた。警察の捜査で教師側に落ち度はなかった(嫌疑なし)と結論づけられたが、保護者からの執拗な苦情は止まず、教師が自死を図る事態にまで発展した。
また別の事例では、ある保護者が「友達と一緒にトイレに行きたいという子どもの要求を教師が拒否し、子どもが傷ついた。児童虐待で告訴できるか」とインターネット上で相談し、猛バッシングを浴びる一幕もあった。
相次ぐ悪質な苦情と教権侵害の現実に、ネット上では「教師が病気休暇を取るのにも保護者の許可が必要な世の中なのか」「あなたが原因で体調を崩したのではないか」「今こそ教師を守るべき時だ」など、疲弊する教師への同情と保護者への批判の声が殺到している。
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