
北朝鮮が2025年に進水させた5000トン級新型多目的駆逐艦「崔賢」を海軍に就役させたと明らかにし、「沿岸海軍」を超えて太平洋などへ進出する「大洋海軍」構築への意思を示した。
今回の「崔賢」就役公開は、北朝鮮が中国と台湾の対立で中国を支援するため、より大きな役割を担い、遠洋での作戦能力を高めて米国をけん制するというメッセージを内外に投げかけたものとの分析が24日、出ている。
今月初めのキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記と習近平中国国家主席の首脳会談で、中朝軍事協力の強化が合意されたことから、中朝、または中朝ロの合同訓練が海軍を中心に進められる可能性も指摘されている。
「崔賢」は北朝鮮が2025年4月に進水させた5000トン級新型駆逐艦で、北朝鮮海軍が保有する戦闘艦のうち排水量が最も大きい大型艦船だ。北朝鮮はこの艦艇に垂直発射システム(VLS)を適用し、核弾頭搭載が可能な戦略巡航ミサイルや各種誘導兵器を運用できると主張し、海軍の近代化と核武装化の象徴として宣伝してきた。
キム総書記は就役式で「わが海軍が沿岸防御の武力として存在していた時期は、今や厳然たる過去になった。海軍は戦略的手段を備えた軍種として堂々と成長しており、海軍の核武装化は自らの道筋を正確に踏んでいる」と主張した。
これは、キム総書記自らが過去の海軍戦力が実戦用ではなかったことを認めると同時に、いまは「コンプレックス」を脱する水準に向上したと誇示する発言とみられる。
キム総書記は「朝鮮人民軍海軍には、自らの戦艦を望む任意の水域へ進出させる航続力が与えられ、敵対国の軍事資産と基地が展開している水域に対する巡視と先制構築の義務が付与されている」と述べた。「崔賢」の性能が、望む場所に適時進出し、敵にとって警戒対象になり得るという意味であると同時に、実際に関連作戦を展開できることを示唆した形だ。
キム総書記は「崔賢」に続き「姜健」もまもなく作戦に投入し、その後、1万トン級戦略艦船も連続して海に浮かべると明らかにした。まだ開発していない1万トン級艦船の建造が近く始まることを意味する。
「姜健」は「崔賢」の姉妹級駆逐艦で、2025年5月に東海側の咸鏡北道清津港で開かれた進水式で座礁し、進水が遅れる事故があり注目された。北朝鮮は座礁した船を復旧し、約1カ月後に進水式を再び実施した。キム総書記は今月初め、娘を伴って「姜健」の航海試験を直接視察し、早期の就役を求めていた。
北朝鮮は2021年の第8回党大会で「国防力発展5カ年計画」の一つとして、原子力潜水艦と水中発射用核戦略兵器の開発を提示した後、海上兵器体系の開発に力を注ぎ始めた。
特にキム総書記は2023年8月、東海艦隊近衛第2水上艦戦隊を視察し、海軍司令部を相次いで訪問して海軍を重視する姿を見せた。同年9月には労働新聞が初の戦術核攻撃潜水艦「金君玉英雄艦」の進水を公開し、海軍力を誇示した。
キム総書記の海軍への関心は同年のロシア訪問でも表れた。ロシア・ウラジオストク近郊の太平洋艦隊司令部を訪れ、ロシア海軍の戦略原潜や航空隊など最新兵器を視察し、駆逐艦「マーシャル・シャポシニコフ」も見て回った。訪ロ日程にはカン・スンナム国防相、キム・ミョンシク海軍司令官も同行した。
北朝鮮は2025年12月、8700トン級原子力潜水艦を建造中であることを明らかにし、この潜水艦から核弾頭搭載の「戦略誘導弾」を発射できると主張した。
北朝鮮海軍の先端兵器開発の速度と、キム総書記が海軍の遠洋作戦能力強化を公開的に指示していることは、究極的に台湾海峡と太平洋まで海軍の活動半径を広げる構想に基づくものとの見方も出ている。
西海艦隊を通じて、中国と台湾の両岸関係で有事が起きた際に北朝鮮海軍を投入し、中国を支援する意思を示すことで米国に対抗する中朝接近を誇示し、東海艦隊を通じて太平洋を掌握する米海軍力に対応する能力を備える構想だという。特に東海艦隊の能力は、ウラジオストクを母港とするロシア太平洋艦隊との協力を通じて急速に発展する余地がある。
実際、習近平主席は今月8日に平壌で開かれたキム総書記との首脳会談で、両国間の外交、法執行、軍隊などの交流を強化すると強調した。
専門家らは、軍事交流への言及は、米中対立の主要争点である台湾問題で北朝鮮の支持を求めた結果とみている。中国が台湾をめぐり米国との武力衝突という有事に備え、北朝鮮の外交的支持を超え、軍事支援まで期待する意向を示したということだ。
韓国・峨山政策研究院のヤン・ウク研究委員は「北朝鮮が原子力潜水艦と新型駆逐艦を順次公開するのは、中国とロシアに『われわれもあなた方と一緒に作戦できるほどの海軍力を持っている』というメッセージを伝えたいものとみられる。中朝首脳会談での軍事交流合意には、中国が朝ロ接近を適切にけん制する目的もあるだろうが、実際の軍事技術交流と合同訓練が推進される可能性もある」と指摘した。
ただ専門家らは、北朝鮮が海軍力を増強しても、米中関係など北東アジアの力学関係と北朝鮮の内部事情を考えれば、東海で中朝ロが直ちに軍事訓練を実施するのは容易ではないとみている。
韓国国防安保フォーラム(KODEF)のシン・ジョンウ事務総長は「最近の米中首脳会談で、トランプ米大統領が中国と台湾問題に関する発言を控えた状況で、中国が北朝鮮と合同訓練に踏み切り、あえて米国を刺激する必要はない。北朝鮮と中国が軍事的に接近するなら、人的交流などソフトな協力から進めるものとみられる」と指摘した。
ヤン・ウク研究委員は「中国海軍戦力が本気になれば、日本海の公海上を通じて元山などに寄港し、合同訓練をし、長期的には循環配備式で軍事協力を強化することは可能だが、その段階に至るには相当な協力と時間が必要だ」と見通した。
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