
世界的な大ヒット商品「ブルダック炒め麺」を世に送り出した韓国・三養(サミャン)食品のキム・ジョンス副会長が、自社の公式YouTubeチャンネルに出演し、経営者、実家の嫁、そしてワーキングマザーとして歩んできたこれまでの人生を語った。6月1日の会長就任を控えるキム・ジョンス氏が映像メディアに姿を見せるのは、約10年ぶり。
三養食品が公開したショート動画で、キム・ジョンス氏は2025年11月に発売された新商品「三養1963」を試食しながら、会社の歴史や家族への思いを問答形式で率直に語った。
キム・ジョンス氏は、世界的なブームを巻き起こしたブルダック炒め麺の成功について「世の中になかった商品を作ってみようと始めたが、これほどの大ヒットは予想していなかった」と振り返った。また、2014年に亡くなった創業者で義父のチョン・ジュンユン名誉会長夫妻に触れ、「世界中が熱狂する姿を見られずに世を去ったことが最も心残りだ」と恋しさを募らせた。
特に1989年に起きた「工業用牛脂ラーメン騒動(のちに無罪確定)」の痛みを乗り越えて開発された「三養1963」への思いは格別で、最もこのラーメンを食べてほしい人に名誉会長夫妻を挙げた。キム・ジョンス氏は「私たちが作ったラーメンだから安心して召し上がってください」と言葉を詰まらせ、涙を拭う場面もあった。
また、アジア通貨危機直後の1998年に入社し、2028年には勤続30年を迎えるトップ経営者としての顔の裏にある、ワーキングマザーとしての葛藤も吐露した。
長男のチョン・ビョンウ専務(現・三養ラウンドスクエア戦略企画本部長)ら子どもたちの育児について「会社の仕事のように義務を果たす気持ちで育ててしまった。子どもたちの成長の瞬間を逃してしまったと後悔している」と告白。「息子、娘、ありがとう。そしてごめんね」と切ない親心をのぞかせた。
キム・ジョンス氏がグローバル成長を牽引(けんいん)してきた三養食品は、2025年に海外売上比率が80%を超え、米国や中国、欧州を中心に急速に事業を拡大している。近年は生産インフラの拡充や供給網の強化、ソースやスナックなどへの事業多角化を進めており、今回の動画を通じて消費者とのより深い意思疎通を図りたいとしている。
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