
韓国サムスン電子の労使が、半導体(DS)部門の特別成果給を新設し、上限をなくすことで合意した。また、成果給財源の40%は3つの事業部(メモリー、システムLSI、ファウンドリー)に均等に分け、残り60%は実績に応じて差等支給することにした。特に、特別成果給は現金ではなく全額自社株で支給することで合意した。
2026年の賃金引き上げ率は、基本引き上げ率4.1%と成果引き上げ率平均2.1%を合わせ、計6.2%で意見をまとめた。
サムスン電子とサムスン電子労組共同交渉団は20日、こうした内容を盛り込んだ2026年賃金・成果給暫定合意案を用意した。これにより、労組が予告していた総ストはひとまず保留され、22日から合意案に対する賛否投票が実施される。
今回の成果給交渉で最も鋭く対立していた特別成果給の算定方式は、事業成果を基準とし、現金ではなく自社株を支給する形で合意された。
労使は、特別経営成果給の財源を事業成果の10.5%と明文化し、算定基準の不透明さを取り除いた。これを税引き後基準の自社株で全額支給する。事業成果は営業利益と経済的付加価値(EVA)のうち、労組員の投票で決まる予定だ。
配分率は部門40%、事業部60%とし、共通組織の支給率はメモリー事業部支給率の70%水準に設定した。これにより成果給財源の40%は3つの事業部に同じように配分され、残り60%は成果に応じて差等支給される。現在の経営実績を踏まえると、メモリー事業部に60%が回る見通しだ。
赤字事業部の場合、部門財源を活用して算出された共同支給率の60%だけを支給することにした。赤字事業部には事実上ペナルティーを適用する代わりに、時期は2027年からとし、1年猶予した。
労使は、自社株で支給される特別成果給について、短期の利益確定を防ぎ、責任ある労働を促すため、強力な「ロックアップ」条項を新設した。特別成果給として支給された株式の3分の1だけをすぐに売却できる。残り3分の1は1年間、最後の3分の1は2年間、売却が厳しく制限される。
支給の前提条件も、労使が合意した超過達成目標とした。2026年から2028年までは毎年DS部門営業利益200兆ウォン(約22兆円)、2029年から2035年までは100兆ウォン(約11兆円)達成というハードルを設定した。
もう一つの争点だった賃金引き上げ率は、基本引き上げ率4.1%に個人考課に基づく成果引き上げ率平均2.1%を加え、計6.2%と決まった。この引き上げ分は2026年3月の給与からさかのぼって適用される。
数年間、高年次社員の勤労意欲をそぐとの指摘を受けてきた「年俸上限」(サラリーキャップ)問題も、会社側が労組の要求を受け入れて妥結した。CL4職級は従来の1億2200万ウォン(約1340万円、開発基準)から1億3000万ウォン(約1430万円)へ、CL3は1億300万ウォン(約1130万円)から1億1000万ウォン(約1210万円)へ、それぞれ引き上げられた。
あわせて、社員が住宅を購入する際に一定額の融資を受けられる社内住宅貸付制度も新設することにした。また、子ども誕生の慶弔金を、第1子100万ウォン(約11万円、従来30万ウォン)、第2子200万ウォン(約22万円、従来50万ウォン)、第3子以上500万ウォン(約55万円、従来200万ウォン)へ大幅に引き上げた。
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