2026 年 5月 19日 (火)
ホームライフスタイル友人と集まり「たまった雑務」を片付ける夜…酒より節約と生産性の「アドミンナイト」

友人と集まり「たまった雑務」を片付ける夜…酒より節約と生産性の「アドミンナイト」 [韓国記者コラム]

(c)AFPBBNews/news1

ティックトックやインスタグラムなどSNSには、きらびやかな照明の下でカクテルグラスを合わせる代わりに、それぞれノートパソコンの画面に向き合い、黙々とタイピングする若者たちの動画や写真が相次いで投稿されている。誰かは健康保険の書類を整理し、誰かは税金申告をしたり、ネットフリックスなどOTTのサブスクリプションを解約したりする。「今日は友人たちとカード代の精算パーティー」「ワインを飲みながらメール200件を空にする」といった説明もある。

韓国で最近、若い世代を中心に広がっている「アドミンナイト」現象だ。「アドミンナイト」は、行政事務や雑務を意味する「アドミン」と、夜を意味する「ナイト」を合わせた言葉だ。企業でたまった雑務を処理する時間に由来し、最近ではZ世代(1990年代半ば~2000年代初め生まれ)の新たな社交文化として定着しつつある。以前の世代が友人との集まりを遊興中心に消費していたとすれば、いまの若い世代は「生産性」という要素を交友関係に加え、「アドミンナイト」を好んでいるとの評価だ。

「アドミンナイト」の人気は、ADHD(注意欠如・多動症)患者の治療戦略として使われる「ボディダブリング」の心理学ともつながっている。ボディダブリングは、心理学的には誰かがそばにいるだけで集中力と実行力が高まる現象を意味する。

米IT専門メディア「マッシャブル」は「ボディダブリングは『穏やかな責任感』を与え、何かを始める時に感じる心理的な壁を下げる。そばに誰かがいるという事実だけでも『この仕事を一人で背負っているのではない』と考えられる。若い世代のアドミンナイトは、退屈な『大人の仕事』を一つのイベントに変える文化だ」と分析した。

米作家のクリス・コリンは2025年10月、米紙ウォールストリート・ジャーナルへの寄稿で「6年前、友人たちが保険や病院などの事務作業にストレスを受け、多くの時間を無駄にしているのを見て、毎週火曜日の夜に友人を自宅に招き、世界で最も面白くないパーティー『アドミンナイト』を開いた。一人なら決して終えられなかったことを『友情の力』を借りて解決しようという趣旨だった」と説明した。

「アドミンナイト」の人気は、最近Z世代の間で強まる「アダルティング疲れ」とも関係している。アダルティングとは、独立した大人として生きるために必要な各種責任や家事、行政手続きなどをこなすことを意味する新語だ。物価高や景気不安の中、若年層が背負う現実的な負担が大きくなり、「一人で大人の役割を果たすのはあまりにも大変だ」という認識が広がり、これがアドミンナイトの人気につながったという見方だ。

経済的な理由も欠かせない。最近、米国人の間では「一晩の酒代で1週間分の食費が出る」と言われるほど、夜遊びの費用負担が大きくなっている。米紙ニューヨーク・ポストは「高価な夜文化の代わりに、低コストの社交活動を探す若者が増えている。友人の家に集まり、ワインや茶を飲みながらそれぞれたまった仕事を片付けるアドミンナイトは、費用負担が小さく心理的満足感も大きいと評価されている」と伝えた。

一方、「アドミンナイト」ブームをめぐる懸念もある。友人との私的な集まりまで、何かを成し遂げなければならない「生産性」中心の活動に変質していることへの批判だ。シンガポール紙ストレーツ・タイムズは「仕事と私生活の境界が次第にあいまいになっている」とし、アドミンナイトを「生産性の私生活への浸透」現象と分析した。激しい競争から離れ、身体的・精神的に休むために友人と会う場さえ、結局は「やるべきこと」を処理する空間に変わっているという指摘だ。

専門家は「遊ぶ時間まで『生産性』という物差しで測るようになれば、長期的に疲労感が増す可能性がある」と懸念している。【MONEYTODAY チョン・ヘイン記者】

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