
韓国の歌手イ・スンファンのコンサートを巡り、一方的に会場貸し出しの取り消しを決めた慶尚北道亀尾市に、1億ウォン以上の賠償を命じる裁判所の判決が出た。
ソウル中央地裁は8日、イ・スンファンが亀尾市を相手取り起こした損害賠償訴訟で、イ・スンファンに慰謝料3500万ウォン(約385万円)、所属事務所ドリームファクトリーに財産上の損害額7500万ウォン(約825万円)をそれぞれ支払うよう命じた。イ・スンファンのコンサートを予約したファン100人にも、慰謝料として1人あたり15万ウォン(約1万6500円)を支払うよう命じた。
ただ、キム・ジャンホ市長を相手取った損害賠償請求は認めなかった。
イ・スンファンは判決言い渡し後、「裁判所はきょう、一方的な公演取り消しの違法性、誓約書強要の違法性、安全措置を取らなかった亀尾市の無責任さをすべて認めた」とし、「傲慢で浅薄な一部の行政権力が決して侵してはならない音楽家の良心と芸術の自由を守る」と述べた。
イ・スンファン側の弁護士は記者団に対し、「韓国社会における表現の自由と公演の自由に重要な基準を示した判決だ」とし、「キム市長個人の責任を問うため控訴する」と話した。
問題は2024年12月、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領(当時)の弾劾賛否デモが開かれていた際、亀尾市側はイ・スンファンに対し、「政治的発言をしない」との趣旨の誓約書を求めた。イ・スンファンが署名を拒否すると、公演2日前に公演許可が取り消され、波紋が広がった。
亀尾市側は許可取り消しの理由として「観客と市民団体の間で物理的衝突が発生する恐れ」を主張したが、文化芸術界からは表現の自由の侵害だとして反発が起きた。
イ・スンファン側はファン100人余りとともに、亀尾市とキム市長個人を相手取り、2億5000万ウォン(約2750万円)相当の損害賠償を求めていた。
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