
人工知能(AI)で制作されたコンテンツであることを明示する「透明性義務」への対応が、韓国のIT業界で広がっている。関連法の施行を受け、各社はウォーターマーク(透かし)表示の導入を急いでいる。
ネイバーは2026年4月13日から、自社の広告ソリューション「アドブースト」で制作された広告すべてに「AI活用」とのウォーターマークを自動表示する。AIがターゲティングや素材生成など広告運用全体を担う仕組みであるため、利用者が一目でAI生成と認識できるようにする狙いだ。
同社は、AI基本法に基づき生成AIで作成されたコンテンツは明確に表示する必要があると説明し、消費者保護と透明性確保の重要性を強調した。
カカオも同様の対応を進めている。メッセージアプリの新機能「カナナテンプレート」で生成した動画には、「kanana」と記されたウォーターマークを表示する仕組みを導入した。
一方、表示を怠ったことで問題が生じたケースもある。ゲーム会社のパールアビスは、新作ゲーム内の画像に生成AIを使用していたにもかかわらず事前に明示せず、利用者の反発を受けて謝罪に追い込まれた。
政府によると、AI基本法の相談窓口に寄せられた問い合わせのうち、半数以上がAI使用の明示に関する内容だった。企業側もウォーターマークの方法や基準について判断に迷うケースが多いという。
AI基本法は、生成AIや高影響AIを使ったサービスを提供する場合、事前に利用者へ通知し、結果物にも明確な表示を付けることを義務付けている。特にダウンロードや共有が可能なコンテンツについては、メタデータやデジタル透かしの付与が求められる。
法は一定の猶予期間を設けて段階的に適用されるが、業界ではすでに自主的な対応が進んでおり、AIで作られたコンテンツであることを明示する流れは今後さらに広がりそうだ。
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