
「本当に中古車ですか。新車と言われても信じますよ」。今月3日、韓国京畿道にある起亜の「認定中古車センター平沢直営店」を訪れた来場者から、そんな声が上がった。ロビーに入ると天井まで広がる大型メディアウォールが目を引き、車両が入庫されてから精密検査や再整備(リコンディショニング)を経て出荷されるまでの工程が映像で紹介されている。
同施設は単なる中古車展示場ではなく、ブランドの信頼を前面に打ち出した体験型の複合空間として設計されている。来場者は1対1の相談を受けながら実車を確認し、契約や決済、保険加入までを一度に完結できるワンストップ拠点となっている。
起亜の認定中古車の強みは品質への信頼にある。販売対象は原則として6年以内・走行12万キロ未満に限定され、専用センターで9段階の工程と約200項目に及ぶ検査を通過しなければならない。1階の紹介ゾーンでは、キオスク画面を通じて補修前後の状態を比較でき、傷のあったバンパーの塗装補修やタイヤ交換の過程などが可視化されている。
担当者は「外装だけでなく内部部品まで整備した上で出荷する。ドアを開けた瞬間、新車のように感じてもらうのが目標だ」と説明する。また、軽微な使用感を残して価格を抑えたモデルと、ほぼ新品同様の状態に仕上げたモデルを分けて提供し、顧客が選択できる仕組みも特徴だ。
購入体験も従来の中古車市場とは大きく異なる。施設外には全長800メートルの試乗トラックが設けられ、坂道や石畳、連続減速帯など多様な路面を再現。一般道路では分かりにくい乗り心地や騒音、振動まで体感できる。
来店が難しい顧客向けにはライブ配信スタジオも用意され、担当者がリアルタイム映像で車両を紹介し、要望に応じて細部を拡大して説明する。
さらに同センターは「車を買う場所」から「滞在する場所」への転換も図る。敷地内にはペット用の遊び場や散策路、噴水広場が整備され、隣接する複合休憩施設と動線がつながっている。電気自動車を体験できるラウンジや車用品ショップも併設され、新車と中古車を同一空間で比較できる。
こうした取り組みは、情報の非対称性や品質不信が指摘されてきた韓国の中古車市場に変化を促す動きとみられる。完成車メーカーが仕入れから整備、販売までを一括管理するモデルにより、信頼性向上と市場構造の転換を狙う。
起亜は「中古車の買い取りから整備、試乗、金融、引き渡しまで全工程を直接管理することが差別化の核心」とし、下取り制度と連動した新車購入への循環モデルも強化する方針だ。購入者には1年または2万キロの無償保証など、新車に準じたサービスも提供されている。
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