
韓国政府が焼酎やビールなどの酒類消費を抑制するため、今後数年以内に「健康増進負担金(健康税)」を導入する可能性があるとの見方が浮上し、酒類業界に警戒感が広がっている。
すでに酒類価格の大部分を税金が占めている中、新たな負担金が課されれば価格上昇につながり、消費者と業界双方に影響が及ぶと懸念されている。
業界によると、保健福祉省が確定した「第6次国民健康増進総合計画(2026〜2030年)」には、飲酒率の低下を目的として健康増進負担金の導入など価格政策を検討する方針が盛り込まれた。
同様の内容は2020年の前回計画にも含まれていたが、政府は今回も中長期的な方向性にすぎず、現時点で具体的な検討は進めていないと説明している。
ただ、たばこにはすでに健康増進負担金が課されていることから、酒類にもいずれ導入されるのではないかとの見方が広がっている。成人の高リスク飲酒率が政府目標を上回っている点も、政策導入の根拠となり得る状況だ。
酒類への負担金導入を巡っては過去にも議論があり、2018年には健康保険公団が検討したものの、「庶民増税」との批判を受けて見送られた経緯がある。
今回も、焼酎やビールといった日常的に消費される酒に負担金が課されれば、体感物価の上昇につながるとの見方が強い。健康増進負担金は間接税の性格を持ち、所得の低い層ほど負担感が大きくなるためだ。
実際、焼酎には出荷価格の約72%に酒税が課され、その30%が教育税、さらにこれらを含めた価格に10%の付加価値税が上乗せされている。ここに新たな負担金が加われば、価格上昇は避けられないとみられる。
すでに消費低迷の影響で酒類企業の業績は悪化傾向にある。韓国大手のハイト真露は、2025年の売り上げと営業利益がいずれも前年比で減少した。
業界関係者は、財政確保の必要性から負担金の議論が出ている可能性があるとしつつも、酒はたばこと違い広く消費されるため価格引き上げへの反発は大きいと指摘する。
別の関係者も、直ちに導入される可能性は高くないものの、中長期的には避けられない議論になるとして、今後の政策動向を注視している。
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