
中東情勢の緊迫化によるホルムズ海峡の封鎖でナフサ供給が逼迫し、韓国の石油化学業界が深刻な原料不足に直面している。主要工場の連鎖的な稼働停止を防ぐため、各社は操業維持に向けた対応を急いでいる。
すでに全羅南道・麗水産業団地では一部工場の停止が現実化している。ロッテケミカルは設備の定期補修を前倒しする形で工場の稼働を停止し、LG化学やヨチョンNCCも一部設備の停止や稼働率の引き下げに踏み切った。いずれもナフサ在庫の消耗を抑えるための戦略的な対応とみられる。
ナフサはエチレンなど基礎化学製品の原料であり、その供給が途絶えれば自動車や電子など製造業全体に影響が及ぶ。このため各社は原料確保に奔走しており、これまで取引のなかったロシア産ナフサの輸入も検討対象に含めている。
業界関係者は、調達担当者が世界中を駆け回っているが供給自体が逼迫しているとし、状況の厳しさを指摘する。韓国の石化企業は通常、ナフサの約半分を中東から輸入しており、その供給停滞の影響は大きい。米国やインドなどからの調達も模索されているが、量は限られているという。
政府も対応に乗り出し、国内で生産・保有されるナフサの輸出を全面禁止する緊急措置を講じた。これにより短期的には業界の持ちこたえが可能となり、当初懸念されていた3月末の全面停止は回避されたとみられる。ただし輸出量自体が多くないため、効果は限定的との見方もある。
現在のところ、操業停止の限界ラインは4月末まで延びたとされるが、中東情勢が長期化すれば追加の稼働停止は避けられない可能性がある。業界関係者は、エチレン生産が止まれば産業全体に大きな影響が及ぶとして、あらゆる手段で操業維持を図る姿勢を強調している。
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