
ソウル・光化門と景福宮を舞台に開かれた韓国のグループ「BTS(防弾少年団)」のカムバック公演が、韓国観光の新たな起爆剤となるか注目を集めている。現地の観客数を超え、世界規模での露出効果が期待されているためだ。
今回の公演は単なるライブにとどまらない。世界190カ国で配信され、約3億人が視聴可能な米動画配信大手ネットフリックス(Netflix)で同時中継されたうえ、27日には後続ドキュメンタリー「BTS: ザ・リターン」も公開される。単発イベントではなく、長期的な観光コンテンツとして展開される構造となっている。
公演の舞台となったのは、ソウルの象徴的な空間である光化門から景福宮へと続く「王の道」。1395年に創建された王宮を背景に、600年以上の歴史を持つ空間が最新の映像技術によって世界へ発信された。23台のカメラが多角的にこのエリアを映し出し、韓国の歴史と現代文化を同時に印象づけた。
一方で、現地観客は当初予想の最大26万人には届かず、約10万人規模にとどまったとされる。ただ専門家は、この点を過度に問題視すべきではないと指摘する。物理的な集客よりも、グローバル配信による認知拡大こそが重要だという見方だ。
実際、Netflix作品が観光需要を押し上げた例はすでにある。2021年の「イカゲーム」では韓国文化への関心が世界的に高まり、2025年のアニメ「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ」でも韓国訪問や消費の増加が見られた。今回のBTS公演も同様の波及効果を生む可能性がある。
観光業界関係者は「短期的な来訪者数の増減よりも、都市の認知度や好感度の向上が重要だ」と分析する。特に光化門や景福宮といった歴史的空間が世界に広く露出された点は、長期的にプラスに働くとみられる。
また、ライブ公演と動画配信サービスの融合も新たなモデルとして評価されている。従来は現地観客に限られていた体験が、デジタル配信によって世界規模へと広がり、観光・文化・エンターテインメントが連動する形となっている。
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