
都市は時に、たった一つの場面によって記憶される。そして、その場面は意外にも音楽公演から生まれることがある。
2003年、ローマのコロッセオ前で開かれたポール・マッカートニーのコンサートは、まさにそうした瞬間だった。古代ローマ帝国の象徴であるコロッセオの前に響いたポピュラー音楽は、単なる公演を超え、都市の文化的記憶として刻まれた。当時、約50万人が集まったこの公演は、今もローマを代表する文化イベントとして語り継がれている。
最近では、メキシコシティ中心部のソカロ広場でも似た光景が生まれた。シャキーラの公演には約40万人が集まり、都市の歴史的中心広場が世界的なポップ音楽の舞台へと変わった。
このように、歴史的空間で開かれる公演は、単なる音楽イベントにとどまらず、都市の文化的記憶となる。
そうした場面が、今度はソウルでも繰り広げられる。人気グループBTS(防弾少年団)は21日、光化門広場でフルメンバーとしては約3年9カ月ぶりとなるカムバック公演を開く。光化門広場で大規模な単独公演が開かれるのは今回が初めてだ。
公演では、景福宮や世宗大路一帯の都心空間が舞台と観覧エリアとして活用される。さらに、崇礼門やソウルタワーなどソウルの主要ランドマークを活用したメディアファサードも予定されている。当日は約26万人の観客が集まると見込まれ、動画配信サービスのネットフリックスを通じて世界190以上の国・地域に生中継される。
光化門という場所が持つ象徴性も、この公演の意味をいっそう大きくしている。景福宮の正門である光化門前の広場は、朝鮮時代には国家儀礼が開かれた場所だった。現代では、市民が集まり社会的な声を示す民主主義の広場として定着している。伝統と現代、権力と市民の歴史が重なり合う空間に、今、世界的な大衆文化が加わろうとしている。
都市は建物だけで記憶されるものではない。時には、その場所で生まれた一つの場面によって記憶される。ローマにはコロッセオ前のコンサートがあり、メキシコシティにはソカロ広場の公演があった。
もし光化門の公演が世界中の何億人もの画面に映し出されるなら、それはソウルという都市の新しい記憶になるかもしれない。その日、光化門で生まれる光景が長く記憶に残ることを期待したい。【news1 シン・ゴヌン記者】
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