
裁判所の確定判決などをめぐり、基本権侵害の有無を憲法裁判所で争える「裁判憲法訴願」制度が施行され、初日から複数の申請が寄せられた。法曹界では、制度を安定させるため、対象事件の基準をより厳格にし、人員や審理体制を拡充する必要があるとの指摘が出ている。
「法歪曲罪」の導入や最高裁判事の増員などを柱とする、いわゆる「司法改革3法」は12日午前0時、電子官報を通じて正式に公布された。これにより、裁判所の確定判決についても憲法訴願を提起できるようになり、裁判官や検察官による法の歪曲行為を処罰する根拠も整備された。現在14人の最高裁判事は、2028年3月から3年間にわたり毎年4人ずつ増員される予定だ。
憲法裁判所によると、制度開始日の12日午前0時から13日午前0時までに受理された裁判憲法訴願は計16件だった。多くは電子申請によるものだった。
最初の申請は午前0時10分、シリア国籍の外国人による「強制退去命令および保護命令取り消し」を求める事件だった。続いて6分後には、拉致被害から帰還した漁師の遺族が提起した「刑事補償遅延に関する国家賠償請求棄却の取り消し」事件が受理された。
韓国最高裁判決の直後に、裁判憲法訴願を検討する動きもある。違法融資などの罪で韓国最高裁が執行猶予付きの懲役刑を確定し、議員職を失った韓国与党「共に民主党」のヤン・ムンソク議員は、SNSで「判決自体は尊重するが、家族の基本権が十分に考慮されていない部分があるなら、憲法裁判所の判断を仰ぐ可能性がある」と投稿した。
法曹界では制度開始を受け、訴願の準備を進める動きが広がっている。ある弁護士は「裁判所の最終判断で受け入れがたい部分があり、当事者が制度開始を知って再び判断を求めたいと希望した」と話した。別の弁護士も「韓国最高裁判決後に裁判の取り消しを求める動きが増える可能性がある」と指摘し、月200件以上の申請が出る可能性もあるとみている。
憲法裁判所は、年間1万件から1万5000件の裁判憲法訴願が提起されると予測している。ただ、事件が集中すれば最終決定まで4年から5年かかる可能性があるとの懸念も出ている。
専門家は制度の円滑な運用のため、対象事件の範囲をより限定し、事前審査段階で厳格に判断する必要があると指摘する。現在は、憲法裁判所の決定に反する裁判で基本権を侵害した場合、憲法や法律に定められた適法手続きに違反して基本権を侵害した場合、裁判が憲法や法律に違反し基本権侵害が明白な場合の3類型が対象とされている。
高麗大学法科大学院のチャ・ジナ教授は「現行規定は事実上、対象事件を絞り込む機能が弱い」と指摘し、「『基本権侵害が明白な場合』を『重大な場合』に変更する必要もある」と述べた。
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