2026 年 3月 14日 (土)
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韓国の大学政策「ソウル大10校」構想で議論…地方私立大の弱体化・格差拡大の懸念

韓国のチェ・ギョジン(崔教振)教育相(c)news1

韓国政府が推進する「ソウル大学を10校つくる」構想をめぐり、地方私立大学の弱体化を招くのではないかとの懸念が教育界や政界で広がっている。拠点国立大学への財政支援を集中させる政策が、地域大学間の格差を拡大させる可能性があるとの指摘だ。

教育界によると、この構想はソウル大学を含む全国の拠点国立大学10校を研究・教育の中核大学として育成する計画である。ソウル大学以外の9校の研究力や教育環境を底上げし、地域産業と連携する拠点大学として機能させることで、首都圏に集中した大学構造を緩和し、地域革新の拠点とする狙いがある。

政府は学生1人当たり教育費の拡充や研究インフラ整備を通じて拠点国立大学の競争力を段階的に強化する方針で、関連事業には今後数年間で大規模な財政投入を検討している。

2026年の拠点国立大学支援予算は約8800億ウォン(約968億円)で、前年の約4200億ウォン(約462億円)から2倍以上に増えた。

一方、地方高等教育の強化を背景に、地方大学の入学辞退が減るなど一定の変化も現れている。韓国大学教育協議会の資料によると、2026年度に地方大学105校で実施された追加募集は7201人で、前年の9761人から26.2%減少し、2020年度以降7年間で最も少ない水準となった。

合格者の辞退などで生じる欠員を意味する追加募集が減ったことは、地方大学合格後に入学を辞退する受験生が大きく減ったことを示す。

志願動向にも変化がみられる。2026年度の地方大学志願者は21万337人で前年より1万4660人(7.5%)増えた一方、ソウル圏大学への志願者は1866人(1.0%)減少した。

教育界では、地域医師制度の導入や地方大学育成政策への期待、地方医大の定員拡大などを背景に、成績上位の受験生が地方大学に志願するケースが増えたと分析している。

ただ、拠点国立大学中心の政策が進めば、地方私立大学が取り残される可能性も指摘される。全国197校ある私立大学の多くは学齢人口の減少や地域人口の流出で学生確保に苦戦しており、財政支援が国立大学に集中すれば競争力の低下は避けられないとの懸念が強い。

国家教育委員会のチャ・ジョンイン委員長は「拠点国立大学は地域高等教育の中核として役割を果たす必要がある」と述べ、共同研究や研究施設の共有など地域大学との共生の仕組みづくりが必要だと指摘した。

政界でも議論は続いている。韓国野党「国民の力」のキム・デシク議員は国会教育委員会で「『ソウル大10校』政策が結果的に地方の中小私立大学100校を弱体化させる恐れがある」と懸念を示した。

これに対し、チェ・ギョジン(崔教振)教育相は「大学改革と地域革新を通じて地方を活性化させるのが目的だ」と説明し、拠点国立大学だけでなく地方の国公立大学や私立大学、専門大学も共に成長できるよう政策を進める考えを強調した。

(c)news1

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