2026 年 2月 25日 (水)
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7年ぶりに大統領が主宰する国家観光戦略会議、問われるのは実行力 [韓国記者コラム]

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韓国で国家観光戦略会議を、7年ぶりに大統領が直接主宰することになった。2017年のムン・ジェイン(文在寅)政権発足以降、首相級で管理されてきた観光政策が、再び大統領アジェンダへと引き上げられた格好だ。エンデミック後、世界の観光市場が急速に再編されるなか、観光を国家の新たな成長エンジンに据えるという政府の姿勢が、形式だけでなく意思決定の「格」においても示されたといえる。

今回の会議は、イ・ジェミョン(李在明)大統領が直接指揮を執る点に大きな意味がある。しかし業界が本当に注視しているのは、誰が議長を務めるかではない。政策を実際に前進させられるかどうか、その実行力である。

これまでの国家観光戦略会議は、名称こそ華々しかったものの、実態は文化体育観光省の単独努力に近い側面があった。観光政策の核心を握るのは、ビザ発給を担う法務省、航空路線拡大を所管する国土交通省、クルーズ振興を担当する海洋水産省、外交協力を司る外務省など、多数の省庁にまたがる。

にもかかわらず、会議には長官ではなく次官級が出席するケースも少なくなかった。省庁横断の連携は掛け声にとどまり、観光は各省の優先順位の中で後回しにされがちな分野だった。

大統領が直接かじ取りを担うことは、縦割り行政や省益優先の壁を打ち破る最後の好機となり得る。韓国観光は今、回復と再編の波に乗れるかどうかの分岐点に立っているからだ。

ただ、会議が単なる演出で終わることは許されない。大統領の前で各省が新奇な構想を披露する場ではなく、これまで掲げながらも省庁間の意見対立で停滞してきた課題を再点検する場であるべきだ。

ビザ手続きの簡素化、地方空港の国際線拡充、港湾インフラ整備、観光産業の規制緩和――いずれも長年議論されてきたテーマだ。重要なのは、新たな青写真を描くことではなく、過去の約束が現場でどこまで履行されたのかを検証する「責任行政」の確立にある。

現場が「大統領が出てくると違う」と実感するためには、各省長官が具体的な実施計画と期限を明示し、その後の進捗を可視化し続ける仕組みが不可欠だ。

最大の課題は、持続可能なモニタリング体制の構築である。一度限りの大規模な発表は、国民にとっては一時的な期待にすぎない。会議で決定された施策が、空港や観光地、宿泊施設の現場でどのように機能しているのかを継続的に点検し、消極的な省庁には明確な評価を示す制度設計が求められる。

大統領の指揮棒は、新たな旋律を生み出すためだけに振られるのではない。これまで不協和音を生んできた省庁間のリズムを整え、最終的に「実行」という和音を完成させるためにこそ意味を持つ。

国民が見たいのは、華やかな会議場の光景ではない。好機が訪れたときに確実にかじを取り、現場の変化を積み重ねる粘り強い実践である。

7年ぶりの大統領主宰。問われているのは、決意の大きさではなく、実行の深さだ。【news1 ユン・スルビン観光専門記者】

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