2026 年 5月 1日 (金)
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24時間不眠不休の市場をAIが守る…韓国・暗号資産取引所が挑む「組織まるごとAI化」

ビッサムラウンジ江南店の電光掲示板(c)news1

韓国の暗号資産(デジタル資産)取引所が、AI(人工知能)を単なる業務効率化の手段にとどめず、組織と業務全般へ広げながら体質改善に乗り出している。市場が24時間動くという特性上、人を中心とした対応には限界があり、AI転換は必須との見方が強まっている。

業界によると、アップビットはAI技術力を対外的に示し、競争力を強化している。最近、世界的なAI学会「AAAI 2026」のデモトラックに採択され、実際のシステムを披露して技術力を証明した。ニュースデータと相場を組み合わせ、価格変動の原因をリアルタイムで要約するAI技術を公開した。

ソウル大AI研究院ヒューマンツインインテリジェンス研究センター長を務めるソウル大コンピューター工学科のイ・サング教授を社外取締役に内定し、AIを経営上の核心的な意思決定領域へ引き上げた点も特徴だ。

サービス全般でもAI活用を拡大している。アップビットは開発者センターを高度化した「アップビット・アシスタント」やニュース推薦システムなど、顧客サービスにAIを導入した。AI基盤の異常取引検知システム(FDS)とオンチェーン資金追跡ソリューション(OTS)により、異常取引の検知や犯罪資金の追跡まで自動化し、リスク管理能力を高めている。

ビッサムは全社の業務プロセスを「AI中心」に転換することに力を入れている。データの収集・分析、報告書作成はもちろん、開発や顧客対応までAIエージェントを幅広く導入した。「インサイト・エージェント」と「分析エージェント」により、役職員がデータを使う際のハードルを下げ、「APIチャットボット」と相談支援システムで外部開発者や顧客との接点にもAI適用を広げている。今後はコンプライアンスや異常取引検知にもAIを組み合わせ、内部統制とリスク管理能力を強化する。

コインワンはさらに一歩進め、「全社的AI転換(AX)」を組織文化の次元で推進している。全役職員に生成AIの有料アカウントを提供し、AI使用量をリアルタイムで公開する「トークン使用ダッシュボード」を運用するなど、活用を促す仕組みを整えた。AI活用度を成果と結びつける「トークン・マキシング」文化まで導入し、単なる導入を超えて組織全体の働き方そのものを変えている。チャ・ミョンフン代表がAIタスクフォースを直接率い、2026年にはAX専門組織へ拡大改編した点も特徴だ。

コービットも「AI中心組織」への転換を宣言し、独自のAIプラットフォーム構築に乗り出した。検索拡張生成(RAG)基盤のプラットフォームにより、社内文書とデータベースを統合してつなぎ、非開発者でも自然言語でデータを照会・分析できるようにした。AIは報告書作成や異常取引監視などコンプライアンス領域にも広がっており、今後はコンテンツ生成機能も追加される予定だ。

ゴーパックスは比較的初期段階だが、業務プロセスでのAI活用が広がるなか、関連政策と基準を設けて社内に配布し、実際の職務に適用している。

業界では、AI導入は選択肢ではなく必須条件になったとの評価が出ている。実際、海外の主要取引所もAI導入を拡大している。

暗号資産業界関係者は「24時間動く市場の特性と高い変動性のため、人を中心とした対応には限界がある」とし、「バイナンスやコインベースなど海外の取引所は、すでにAI基盤の自動売買システムや顧客対応の自動化を導入し、運営効率と安全性を同時に高めている」と述べた。

(c)news1

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