
韓国で、酒に酔った乗客の女性に性的暴行を加えたとして、準強姦致傷などの罪に問われたタクシー運転手の男の論告求刑公判が12日、ソウル西部地裁であり、検察側は男に懲役7年を求刑した。判決は7月10日に言い渡される。
この事件は、被害者である人気ユーチューバーのクァク・ヒョルスさんが被害事実を公表したことで注目を集め、韓国国内で「非同意強姦罪(不同意性交等罪に相当)」の法制化を求める動きや、「2025年MeToo運動」が拡散する契機となった。
起訴状などによると、被告の男は2024年5月22日未明、ソウル市麻浦区の弘大入口駅近くから、酒に酔ったクァクさんを乗客としてタクシーに乗車させた。その後、クァクさんが心神喪失および抵抗不能の状態にあることに付け込んで性的暴行やわいせつな行為に及び、クァクさんに治療日数不詳の双極性感情障害(躁うつ病)などの傷害を負わせた疑いが持たれている。
これに対し、被告側は容疑を全面的に否認している。弁護側は最終弁論で「公訴事実に書かれた性的暴行そのものがなかった」と主張。事件当時、クァクさんが泥酔して下車を拒み、「後部座席に来なければ(車内で)用を足す」という趣旨の発言をしたため、それを制止しながら衣服を整えただけだと弁明した。
さらに弁護人は、クァクさんの供述の信用性にも疑問を呈した。「当時泥酔状態だったため記憶が歪曲されている可能性があり、捜査機関での供述も一貫していない」と指摘。関連する診療記録や鑑定結果などの客観的証拠とも矛盾しているとして、「犯罪の証明がなされていない」と無罪を訴えた。
クァクさんは2025年11月、自身のユーチューブチャンネルを通じて被害を告白。「タクシー運転手が後部座席に移ってきて性的暴行を加えた。被害者である私がなぜ隠れなければならないのか分からない」と涙ながらに訴えていた。
この告発を受け、SNS上ではクァクさんを支持する連帯運動が広がり、女性たちの間で被害を告発し合う「2025年MeToo」のハッシュタグ運動へと発展していた。
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