2026 年 4月 22日 (水)
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韓国の防衛産業、民生転用で内需と輸出を同時強化…「災害市場」が新成長軸に

現代ロテムが開発した電動多目的無人車両「HR-シェルパ」(c)news1

軍事目的で開発された先端防衛技術が、山火事や大規模災害への対応など国民の安全分野へと活用領域を広げている。電動化や無人化、人工知能(AI)を基盤とする精密技術を公共サービスへ転用する動きが加速しており、防衛産業にとって新たな成長機会になるとの見方が強まっている。

韓国・現代自動車グループ傘下の現代ロテムは、軍作戦支援用に開発した電動多目的無人車両「HR-シェルパ」を基盤に無人消防ロボットを開発し、消防庁に4台を寄贈した。今後は100台規模への供給拡大を目指す。高温や有毒ガスが発生する現場に遠隔操作で投入できる設計で、消防隊員の安全確保に寄与すると期待される。

政府も防衛技術の災害分野への活用を後押ししている。イ・ジェミョン(李在明)大統領は2025年の防衛産業関連会合で、精密打撃技術を山火事の初期消火に応用できる可能性に言及したとされる。さらに、AIを活用した監視・偵察装備の災害分野への適用について関係省庁に検討を指示したという。

精密誘導技術やリアルタイム映像分析、無人運用体系など軍で培われた技術を接木すれば、初期対応の成功率向上や人員投入の最小化につながる可能性がある。危険区域への無人投入が可能になれば、現場対応の在り方そのものが変わるとの指摘もある。

防衛技術の民生転用は、輸出戦略とも密接に結び付く。韓国航空宇宙産業(KAI)が開発した多目的機動ヘリ「スリオン(KUH-1)」は代表例だ。2012年に陸軍へ配備された後、消防や警察、海洋警察向けの派生型が開発され、山火事消火などで実績を積み重ねてきた。

2025年にはイラクに2機を輸出し、国産ヘリとして初の海外販売を実現した。軍での運用実績に加え、国内公共機関での使用経験が海外市場での信頼度向上につながったとの分析が出ている。

専門家は、防衛技術が災害対応やインフラ保護など非軍事分野へ拡大すれば、内需基盤の安定と新たな輸出市場の開拓を同時に実現できると指摘する。武器体系の量産終了後も民需を通じて生産ラインを維持できれば、部品供給網の安定や価格競争力の向上にも寄与する可能性がある。

(c)news1

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