2026 年 6月 3日 (水)
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韓国で「検察庁」が78年の歴史に幕へ、李在明政権が断行する司法大改革の全容と現場の混迷

ソウルにある最高検察庁(c)news1

韓国のイ・ジェミョン(李在明)政権発足から1年が経過し、同国の法曹界の勢力図が激変している。1948年の政府樹立とともに誕生した検察庁が今年10月に廃止され、78年の歴史に幕を閉じることが決定した。さらに、最高裁判所の権限を抑制する「司法改革3法」も本格的な施行初期段階に入った。急速に進められた一連の改革は、立法の成否から、実際の制度運用の成否を問う緊迫した試験台へと局面を移している。

今回の検察改革において最も象徴的な変化は、検察庁の「公訴庁」への転換である。政府組織法の改正や公訴庁法、重大犯罪捜査庁法の制定といった関連立法が完了したことで、長年議論されてきた捜査権と公訴権の完全分離が制度として現実化することになった。しかし、現場では刑事訴訟法の改正を巡る火種が依然として残っている。最大の争点は、公訴庁の検事に対してどの程度の補完捜査権を認めるか、また捜査機関のすべての事件を検察に送って最終処分を受けさせる「全件送致制度」を復活させるかという点だ。検察改革推進団は近く法改正の草案をまとめる予定だが、検事の直接的な補完捜査権は廃止する方向が有力視される一方で、不送致事件の統制装置などを巡る最終調整が続いている。

検察内部では、この刑事訴訟法改正を最後の勝負どころと位置づけており、全国の高検長や検事長が参加する会議を開いて全件送致の必要性を強く主張している。専門家の間でも意見は分かれており、捜査と起訴の分離の原則を教条化して補完捜査権を完全に奪うことに懸念を示す声がある一方、検察の権限乱用を防ぐために警察は捜査、検察は起訴のみに特化させ、法治主義的な統制装置を整えるべきだとする賛成意見も根強い。また、10月に発足する公訴庁と重大犯罪捜査庁の準備期間が限られている中、検察の主要犯罪捜査能力をどう移植するか、また警察や高位公職者犯罪捜査処との間で事件の配分や移管基準をどう整理するかといった実務的な課題も山積している。

一方、同時に進む「司法改革3法」は最高裁の権限を弱める性質を持つ。具体的には、裁判所の判決を憲法裁判所の審判対象とする「裁判憲法訴願」、裁判官の法適用を刑事処罰の対象とし得る「法歪曲罪」、そして最高裁判事(大法官)の増員である。これらは2025年5月に最高裁がイ・ジェミョン大統領の公職選挙法違反事件に対して有罪趣旨の破棄差し戻し判決を下した後に与党内で議論が急進展した経緯があり、最高裁への強い牽制装置とみる見方が多い。

すでに本格運用が始まった裁判憲法訴願は、施行から短期間で受け付け件数が700件を超えるなど関心を集めているが、憲法裁判所が事実上の最高裁の上級審として機能しかねない「4審制」への懸念や、手続き上の細かなルール策定が追いついていない。また、法歪曲罪については導入直後から裁判官を相手取った告訴・告発が相次ぎ、裁判の独立性が萎縮するとの危機感が広がっている。

これを受けて裁判所側は、職務関連で訴えられた裁判官へ巨額の費用を支援するタスクフォースを設けるなどの対応を迫られている。2028年から3年をかけて計12人の判事を増員する最高裁の組織改編についても、事件処理の円滑化が期待される一方で、下級審の深刻な人材空白や上告審制度に対する国民の不満を招くリスクが指摘されており、政界による早急な後続設計と立法補完の余地を残すことが強く求められている。

(c)news1

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