
北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記が、祖父の故キム・イルソン(金日成)主席の誕生日「太陽節」(4月15日)に、錦繍山太陽宮殿を参拝しなかったことが分かった。2022年を最後に、4年連続での不参加となる。
朝鮮労働党機関紙・労働新聞は、パク・テソン(朴泰成)首相やチョ・ヨンウォン(趙甬元)最高人民会議常任委員長ら党・政府幹部が宮殿を訪れ、キム・イルソン主席とキム・ジョンイル総書記に敬意を示したと報じたが、キム・ジョンウン総書記の動向には言及しなかった。
一方でキム・ジョンウン総書記は同時期、朝鮮人民軍の砲兵部隊による射撃競技を視察するなど、別の公開活動に姿を見せている。
近年、キム・ジョンウン総書記は太陽節や「光明星節」(キム・ジョンイル総書記の誕生日)といった国家的記念日に、従来の参拝行事ではなく、建設現場の視察や軍関連イベントに重点を移す傾向を強めている。
住宅建設事業の完成式やミサイル試験など、自身の実績を前面に打ち出す日程が目立つ。
こうした動きについて韓国の専門家は「先代指導者との距離を保ちつつ、“キム・ジョンウン時代”を強調する戦略」と分析している。
従来のように先代を中心とした記念行事を繰り返すのではなく、自身の業績を前面に押し出す形へと徐々に転換しているとの見方だ。
また北朝鮮は近年、「新しい時代」という表現を頻繁に用い、体制刷新のイメージを打ち出している。
キム・ジョンウン総書記の独自路線を強調し、先代を上回る業績を築いたとする宣伝を強める意図があるとみられる。
ただ、先代との関係を完全に断ち切るわけではなく、幹部による参拝は継続している。
専門家は「先代の神格化を一定程度抑えながら、自身の権威を相対的に高めるバランス戦略だ」と指摘している。
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