2024 年 4月 24日 (水)
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北朝鮮の著名シンガーが歌ったノリノリの曲、実は「韓流」を“拝借”

北朝鮮歌手のチョン・ホンラン(写真=ユーチューブより)(c)news1

北朝鮮の著名歌手チョン・ホンランが今月1日の新年慶祝大公演で歌った「私たちを羨め」という曲の一部に、韓国の女性グループ「GFRIEND(ジーフレンド)」のナンバー「FINGERTIP(フィンガーチップ)」のメロディーが使われている――こんな疑惑が持ち上がっている。

韓国のインターネット上で「チョン・ホンランの歌の一部がGFRIENDの曲に非常に似ている」と話題になり、北朝鮮音楽に詳しい東亜(トンア)大学のカン・ドンワン教授が専門音楽家に2曲の類似性について分析を依頼した。

その結果、チョン・ホンランの歌について、盗作疑惑が指摘された間奏部分のメロディーが、GFRIENDの曲のサビ部分とほぼ同じであることが明らかになり、カン教授は「盗作とみるべきだ」と指摘している。

カン教授によると、北朝鮮は過去に「反動思想文化排撃法」を制定し、韓国から流入した文化を徹底的に統制した。だが、今は、北朝鮮で知られる歌に韓国ガールズグループの要素を取り入れている。「本当に興味深く、驚くべきだ」(カン教授)という。

GFRIENDの「FINGERTIP」ステージ(KBS「ミュージックバンク」)(c)news1

◇リメークブームか

北朝鮮のこうした行為の背景について、カン教授は「今、北朝鮮の音楽界に吹いているリメークのブームを指摘できる」という。

昨年9月9日に開かれた北朝鮮の建国記念日の公演の際、キム・ユギョンやチョン・ホンランという歌手が登場し、韓国スタイル、すなわちR&B風のバラードで編曲した曲を歌った。この時、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記が「歴史的な公演だった」「素敵な編曲がなされ、画期的な変化を見せた」などの言葉で絶賛した。カン教授は「そのため、今回の新年慶祝大公演でも、さまざまな曲が編曲、リメイクされたようだ」と分析する。

ただ、「私たちを羨め」という曲は、韓国のヒット曲を盗作しつつ、「社会主義体制において仇を討つ私たちを羨ましがれ」という内容の歌詞を盛り込むという皮肉を見せている。

カン教授は「北朝鮮当局は、新世代が韓国の歌にはまって思想が乱れているのを統制している。だが、取り締まりを続けるわけにはいかないので、『主体的変化』という政策を取り、『韓国よりレベルの高い歌を作りなさい』と指示した。そのため、韓国ガールズグループの旋律を取り入れて(北朝鮮の若者に)まるで馴染みのあるリズムに聴こえるよう意図したのではないか」とみる。

(c)news1

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