韓国のユン・ソンニョル（尹錫悦）大統領が29日（現地時間）から30日まで、スペイン・マドリードで開かれる北大西洋条約機構（NATO）首脳会議に出席し、多国間外交の舞台にデビューする。28日から公式日程に突入するユン大統領は、出席国の首脳との2国間会談9回をはじめ、首脳や首脳級と少なくとも14回顔を合わせる予定だ。
今回の訪問には妻キム・ゴニ（金建希）氏も同行し、初の外交舞台のデビューを果たす。スペイン王室が準備した配偶者プログラムに参加する一方、美術を専攻して展示企画事業を手掛けたキム氏に「オーダーメード型」であるスペイン国立美術館観覧などが予定されている。
◇9カ国首脳と2国間会談…スペイン国王らと面談
国家安保室の主要関係者は26日午後、龍山（ヨンサン）大統領室で記者団に対し、ユン大統領のNATO首脳会議の日程について紹介した。
ユン大統領夫妻は27日、空港でキム・デギ秘書室長とキム・ソンハン国家安保室長らに見送られ、スペインに向かう。パク・ジン（朴振）外相やチェ・サンモク（崔相穆）経済首席、キム・テヒョ（金泰孝）国家安保室1次長、イ・ムニ安保室外交秘書官、カン・インソン（姜仁仙）報道官らが大統領を補佐する。
ユン大統領の公式日程は28日午後、フィンランドのニーニスト大統領と首脳会談で始まる。その後、NATOのストルテンベルグ事務総長と面談が予定されている。
同日夕方は、スペイン国王フェリペ6世とレティシア王妃が主催する歓迎ガラ晩餐会にキム氏とともに参加する。
29日はNATO首脳会議が開幕する。ユン大統領は同日午前、スペインのフェリペ6世国王と面談する計画。その後、オランダのルッテ首相やポーランドのドゥダ大統領、デンマークのフレデリクセン首相とそれぞれ会談する。
またユン大統領は同日午後3時に開かれるNATO同盟国・パートナー国（日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランド）首脳会議に出席する。今回の首脳会議の本行事だ。出席国首脳の短いリレー演説が予定されている。
ユン大統領は、時間が空くたびに「略式会談」をする可能性がある。関係者によると、欧州連合（EU）のフォンデアライエン欧州委員長、カナダのトルドー首相、ルーマニアのヨハニス大統領らと略式会談を推進できそうだという。
30日にはチェコ、英国両首脳との会談が予定されている。
同日の昼食会はスペインの経済人と面会する。関係者によると、スペインはドイツとフランス、イタリアに続き欧州4大経済国で、デジタルとクリーンエネルギー、中南米を含む第3国進出と関連した話ができる潜在力が大きい協力パートナー国といい、韓国に対する投資も説明するセールス外交が始まると予想されるそうだ。
◇4年9ヵ月ぶりに日米韓首脳会談…日韓会談は霧散
岸田文雄首相はユン大統領、バイデン米大統領と、同盟国・パートナー国首脳会議が開かれる30分前の29日午後2時30分ごろ（現地時間）に会談する予定だ。3カ国首脳会談は2017年9月の国連総会以来。時間は最大30分程度と予想される。この関係者は「その次の日程が継続しているので、それ以上は不可能だろう」という。
関心を集めた日韓の単独会談は霧散したが、少なくとも3回以上は顔を合わせる見通しだ。
同関係者は「参議院選前に歴史問題を含め、解決しなければならない問題について、両国が具体的に話し合ったことはまだない。突然会って話してもマスコミにブリーフィングすることがなければならないが、それがないなら、しない方が良いと判断した」と話した。
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