2024 年 5月 19日 (日)
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はっきりしない政府の対策 [KWレポート] 韓国カジノの“告白” (5)

インスパイア・エンターテイメント・リゾート鳥瞰図(c)news1

韓国で運営されているカジノは、外国人専用のカジノが16カ所、韓国人・外国人のカジノが1カ所で計17カ所だ。ほとんどのカジノは単一建物に賃貸方式で、まだ統合型リゾート(IR)の形態とはなっていない。

韓国国内でカジノ施設を含めた統合型リゾートは2017年の永宗島(ヨンジョンド)「パラダイスシティ」、済州島(チェジュド)「済州神話ワールド」、2020年の「済州ドリームタワー」だ。

これらには、カジノのほかに、特級ホテルとアート、ショッピングモールなど多様なエンターテインメント施設があり、韓国人観光需要を吸収し、新型コロナウイルス以前の水準に回復している。

◇国際競争力に疑問

今年下半期には永宗島に新たな統合型リゾートである「インスパイア・エンターテインメント・リゾート」がオープンする。米モヒガン社が100%出資したリゾートで、1万5000席規模の国内初の屋内アリーナが建設される。

しかし、政府主導で拍車をかける日本と東南アジアの統合型リゾート推進動向を見ると、韓国のカジノに国際競争力があるかは疑問だ。

パラダイスシティ、インスパイアとともに「永宗島カジノクラスター」の一翼を担う「MIDAN CITY(ミダンシティ)」造成事業の期限は、また延長された。当初2018年3月だった期限は2021年3月、2022年3月、2023年3月に延長され、今回が4回目だ。

この事業は政府が2012年9月に関連法を改正し、経済特区内の外国人専用カジノ業の許可事前審査制度を導入した後、2014年3月に国内第1号として許可された。

事業が難航した背景には、数回の事業者の変更と国際不動産市場の低迷があった。現在、中国不動産「富力集団」の韓国子会社「R&F Korea」が米カジノ企業「シーザーズ」の持分を買い入れ、単独事業者になっている。2017年に着工したが、追加資本金を確保できず、2020年2月から3年間工事が中断されている。現在、全体の25%しか完成していない。

韓国のカジノ業が危機に直面している中、政府側はまだこれといった対抗策を出していない。文化体育観光省関係者は「日本のカジノ推進を認識している。まずは最近、政府が発表した内需活性化策の中で、外国人専用カジノの屋外広告を再許容することなど推進する方針だ」と明らかにした。

(つづく)

(c)news1

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