2024 年 5月 2日 (木)
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「1秒で薬物判読」…韓国税関のX線ベテランと探知犬の「最強コンビ」

3DX-Ray検索機判読教育=仁川本部税関提供(c)NEWSIS

「1秒で薬物かどうか判読できます」

今月4日午後、韓国・仁川(インチョン)空港の政府合同庁舎X線判読室。仁川空港本部税関職員がX線写真を見ながら密輸された薬物、ブランド品などを判読していた。

スーツケースやキャリーバッグなど旅行者の荷物に入った薬物密輸が急増し、国境の最前線である空港では薬物との戦争を繰り広げている。

関税庁によると、昨年上半期の旅行者による薬物密輸は81件で、前年(2022年)の40件に比べて2倍増加した。

特に新型コロナウイルス感染のパンデミックから急激に増えた国際郵便、特送貨物など非対面方式による薬物密輸がエンデミック(風土病)後は減った半面、最近、国際線航空機運航が正常化し海外旅行客による密輸が増加している実情だ。

これを受け、税関は昨年10月、仁川空港の入国場に薬物密輸取り締まりを強化するための全身検索機まで導入した。

3DX-Ray検索機判読教育を実施する仁川本部税関職員=仁川本部税関提供(c)NEWSIS

◇5色のシール

この日、税関判読室の両サイドの壁いっぱいに設置された約80のモニターには、仁川空港第1、2旅客ターミナルで撮影されたX線写真がリアルタイムでシェアされた。飛行機に載せられた旅行者の貨物をそれぞれ上面と側面から撮影した映像と白黒写真だ。

旅行者通関2課のイ・ミラ主務官は「特送貨物とは異なり旅行者の荷物に入っている物の種類はさまざまで、判読教育をたくさん受けた。1秒で薬物を判読することもある」と話した。イ主務官は15年間判読業務を担当してきたベテランだ。

仁川空港に入国した旅行者の貨物は、持ち主に戻される前にX線判読や探知犬検査などを受ける。

判読室で、ある税関職員がX線写真を調べた後、マイクで「イエローシールです」と職員に確認を要請した。入国場に配置された職員が、ある乗客のスーツケースに成人女性の手のひらサイズの黄色い錠をかけた。薬物や違法薬物などをカバンに隠す可能性があり、入国前の検査が必要だという表示だ。

シールは全部で5色に区分される。▽赤色は銃器や刃物などの安全保障上の危害物品▽黄色は薬物、不法医薬品などの搬入禁止や課税対象▽オレンジ色はソーセージ、肉類などの動物検疫対象▽緑色は野菜や果物などの植物検疫対象▽青色は魚、甲殻類などの水産物検疫対象――に分類される。

特にシールが付いた貨物は入国場を出る前に必ず検査を受けなければならない。

◇「より詳しい検査」

同日、手荷物受取区域のベルトコンベヤーの上には、米国から入ってきたある貨物にイエローシールが貼られた。この場合、税関職員が手荷物開封検査を実施、薬物が疑われる場合は指くらいのサイズの検査紙に薬物疑いのある物品を塗って、薬物探知機であるイオンスキャナー(ion scanner)で検査する。結果は5秒で確認できる。

旅行者通関2課のユン・ミスン主務官は「シールが付いたことに怖がったり、怒りを覚える旅行者がいるが、より詳しい検査が必要だという意味なので税関職員の指示に従ってほしい」と話した。

(c)NEWSIS

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