
不特定多数から金を受け取り、人糞やラッカースプレーを使った「私的報復」を繰り返したとして、住居侵入と器物損壊の罪に問われた組織の実行役(33)に対し、ソウル南部地裁は15日、懲役6カ月の実刑判決を言い渡した。
地裁は「報酬を受け取って犯罪を代行する行為を厳しく処罰しなければ、模倣犯の拡大につながりかねない」と指摘した。
被告は2026年1月、カード延滞で個人再生を申請していた中、生活費を得る仕事を探していた際、「ミンチーム長」と名乗る身元不明の人物から犯行を持ちかけられたという。
内容は、被害者宅に侵入して人糞などの汚物をまき、ラッカースプレーで中傷を書き、個人情報入りのビラを配布すれば1件当たり50万ウォン(約5万5000円)を支払うというものだった。被告はこれを受け入れ、犯行用のチャットルームで「犯行例の写真」や「準備物リスト」などを受け取り、共謀した。
被告は1月22日、京畿道始興市のオフィステルに侵入し、玄関ドアや周辺の壁に赤いラッカースプレーで中傷を書き、周囲で拾った生ごみをまいた。さらに、被害者の写真入りビラも現場にばらまいた。
同日にはソウル市広津区でも、事前に伝えられた共同玄関の暗証番号を使って建物に侵入し、同様に落書きや汚物散布を実行した。魚醤と土を混ぜた汚物をまき、ドアノブには接着剤を塗布し、被害者の身分証写真入りビラを配布した。
さらに2日後の24日には、ソウル市陽川区のマンションに侵入し、黒いラッカースプレーで中傷を書き、自らの人糞を玄関ドアに塗りつけた。この現場でも被害者の写真入りビラが配られた。
地裁は「氏名不詳の人物から金銭を受け取り、面識のない被害者の住居に侵入して汚物を投げつけ、落書きをし、中傷ビラまで配布した点で犯行は極めて悪質だ」と判断した。また「被害者は何の落ち度もないにもかかわらず、本来最も安全であるべき自宅前でテロに等しい被害を受けた」と指摘した。
そのうえで「今回の犯行により被害者は大きな不安と恐怖を感じたとみられる。報酬を受け取って犯罪を代行する類型の事件は、厳しく処罰しなければ模倣犯が横行する恐れがある」と強調した。
(c)NEWSIS