2026 年 4月 24日 (金)
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「成果給はストの理由にならない?」韓国サムスン電子労組、前代未聞の総スト予告に潜む法的リスク

サムスングループ超企業労働組合サムスン電子支部の組合員ら(c)news1

韓国サムスン電子労働組合が成果給の上限撤廃を求めて闘争決議大会を開き、ストライキを予告したものの、成果給は争議対象ではないとの指摘が強まっている。特に労組が総ストを予告する中、現行の労働組合法では安全保護施設の運営妨害が禁止されており、今回の行動は正当性を欠くとの批判が拡大しそうだ。

労組は23日、京畿道平沢市のサムスン平沢キャンパスで決議大会を開催し、3万人以上が参加したとされる。これは全社員約12万8881人の25%を超える規模に当たる。労組は営業利益の15%を成果給として要求し、来月の大規模ストを予告しており、今回の大会は会社側への圧力とみられている。

しかし法曹界では、成果給を巡る争議は正当性が乏しいとの見方が出ている。大法院(最高裁)は最近、サムスン電子の退職者が起こした訴訟で、成果インセンティブは退職金算定の基礎となる平均賃金に該当しないと判断した。これは成果給が労働の対価ではなく、経営成果の事後的な分配であると位置付けたものだ。

専門家も、賃金ではない利益配分の仕組み変更を目的に生産ラインを止めることは、労働三権の趣旨を超えた過度な争議行為と指摘する。実際にストが強行されれば、法的・倫理的責任が問われる可能性もある。

一方で、サムスン電子は緊急対応に追われている。多くの半導体工場の従業員が現場を離れたほか、非組合員も周囲の状況を考慮して休暇を取得するなどし、生産ラインの人員不足が深刻化しているためだ。

同社は社内掲示板で安全保護施設の維持・運営の重要性を強調し、関連業務に従事する社員には通常通り勤務するよう求めた。半導体ラインが停止すれば莫大な損失が発生する恐れがある。

労働組合法第42条第2項では、安全保護施設の維持・運営の停止や妨害を禁止しており、違反すれば刑事処罰の対象となる。過去の裁判でも、必須業務は争議期間中でも通常と同水準で維持すべきとの判断が示されている。

サムスン電子は、有毒・可燃性ガスや化学物質を扱う半導体事業の特性上、安全施設の運用は法的義務であり、争議中でも維持が不可欠とする立場だ。事故が発生すれば工場だけでなく周辺住民にも影響が及ぶ可能性がある。

さらに、今回の動きが国家経済全体に影響を及ぼすとの懸念も出ている。労組はストによる被害額が約30兆ウォン(約3兆3000億円)に達する可能性に言及しており、半導体が韓国輸出の約38%を占める状況を踏まえると、その影響は大きいとみられる。

業界内では、売り上げの33~35%を設備投資に再投入する半導体産業の特性上、成果給要求が産業構造に適合しないとの批判もある。実際に株主らは平沢キャンパス周辺で労組の要求に反対する声を上げた。

労組は会社側が要求を受け入れない場合、5月21日から6月7日まで18日間の総ストに踏み切ると警告しており、対立はさらに激化する見通しだ。

(c)news1

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