2025 年 6月 13日 (金)
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韓国で卵価格が異常高騰…わずか3カ月で26%上昇のナゾ

ソウル市内の大型マート(c)news1

韓国で最近、卵の卸売価格が約4年ぶりに最高水準まで高騰している。政府は供給に問題がないにもかかわらず価格が急騰している背景に、生産者間の価格談合の可能性を視野に入れて調査を進めている。

畜産物流情報によると、20日時点で特卵30個入りの平均卸売価格は5505ウォン(約574円)となり、前日から106ウォン(約11円)上昇。2月20日の価格(4363ウォン=約455円)と比べ、わずか3カ月で26%も急騰した。

卵の価格が5500ウォン(約574円)を超えたのは、高病原性鳥インフルエンザ(AI)による大量の産卵鶏殺処分で価格が急騰した2021年9月以来、3年8カ月ぶり。

この卸売価格の上昇を受け、消費者価格も7000ウォン台(約730円台)に突入。韓国農水産食品流通公社によると、19日現在の特卵30個入りの全国平均価格は7052ウォン(約735円)、済州では7980ウォン(約832円)に達し、8000ウォン(約834円)突破が目前となっている。

価格上昇の理由がはっきりしない点が問題視されている。例年、学校の新学期が始まる3月には給食需要で卵の価格がやや上がる傾向があるが、今回のように短期間で25%以上も上昇するのは極めて異例だ。

AIの影響で産卵鶏の数が減ったとの見方もあるが、実際には今年に入ってから卵の生産量は増加している。

畜産物流情報によると、等級判定を受けた卵は生産量が増え続けているにもかかわらず、価格が上昇している。

一部では、AIで供給難に陥った米国への輸出が原因という説もあるが、3月の輸出量はたった40トンで、国内月平均生産量(6万8000トン)の0.06%に過ぎず、価格に影響を及ぼすレベルではないとの見方が支配的だ。

農林畜産食品省は7~9日にかけて農場を現地調査し、「需給状況を超えて過度な価格上昇があった」と判断。企画財政省も16日に開かれた物価関係次官会議で、追加調査および制裁の可能性に言及した。

さらに懸念されているのは今後の見通しだ。AIの影響でブラジル産食用卵の輸入が全面停止となり、国内価格の安定が一層難しくなる恐れがある。価格がさらに上昇すれば、飲食店や製菓業界をはじめ、物価全体の連鎖的上昇を招くリスクもある。

流通業者は政府の支援や自社の割引イベントを通じて消費者価格の抑制に努めている。農産物流通情報によれば、特卵30個入りの小売価格は2月19日の6680ウォンから、5月19日には7052ウォンへと3カ月間で5.6%上昇。一方で卸売価格は同期間に26%も上昇しており、流通業者が極力マージンを削って対応していることが伺える。

大手マート関係者は「生活必需品の価格が次々に上がる中で、卵の値上がりは特に消費者の負担が大きい」と述べ、「政府が山地価格の安定に向けた制度整備に乗り出す必要がある」と強調した。

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