2024 年 11月 19日 (火)
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[KWレポート] “韓国人が消える”2700年危機 (3) 700万在外同胞、救援軍になるか

昨年10月6日、ソウル庁舎で政府組織改編案を発表するイ・サンミン(李祥敏)行政安全相(c)news1

韓国政府が外務省の在外同胞政策と在外同胞財団の事業機能を含めた在外同胞庁を新設する。

在外同胞庁は730万人の在外同胞の福祉と権益増進を担当するコントロールタワーになると同時に「人口消滅」という危機を迎えた韓国に同胞を再び呼び寄せる役割を果たすと期待される。

単一民族国家として移民に対する拒否感が大きい韓国で、在外同胞庁が「逆移民」を奨励することで、当面の人口危機を解決し、中長期的には「移住」に対する拒否感を和らげる役割を果たすべきだという声が強まっている。

政府は昨年10月6日に発表した政府組織改編案で、外相直属の在外同胞庁を新設すると明らかにした。

在外同胞庁は今後、外務省が担う在外同胞政策機能と外務省傘下の在外同胞財団の事業機能を担当することになる。在外同胞支援機能が強化され領事、法務、兵務などワンストップサービスの提供が可能になるものと展望される。政府は在外同胞庁に次官級庁長1人と次長1人を置く計画だという。

◇海外同胞とのネットワーク活性化

政府が在外同胞庁を設置することにしたのは、在外同胞関連政策・事業のコントロールタワーが必要だという指摘のためだ。

在外同胞は732万人で韓国人口の15%に達する。ただ世代交代が進んでおり、祖国とのつながりがますます弱くなっている。これに対し、在外同胞との交流・協力を強化すると同時に、彼らの福祉と権益増進に責任を負う専門機関が必要だという意見が多い。

在外同胞庁は領事、法務、兵務などのサービス提供のほかにも在外同胞・団体の交流・協力、次世代同胞教育、文化広報事業などを担うことになる。韓国の海外ネットワークを維持する役割も果たす。

キム・テギ雇用連帯執行委員長(元檀国大学経済学科教授)は「海外同胞とのネットワークを活用して、優秀な海外人材との関係が活性化させられれば望ましい。ただ、海外同胞との対面は依然、海外の大使館・領事館が引き受けることになる。彼らが提供するサービスの質を高める必要がある」と話した。

野党「共に民主党」にも在外同胞庁新設に賛成する雰囲気がある。

◇必要な労働力を活用

「在外同胞は、血統としては一つの民族だが、法的には外国人だ。同胞が国内に滞在することは、移民政策の一つとして積極的に考えていい。同胞が経済的に厳しい時、韓国で経済活動をすることが同胞の役に立つ。われわれも必要な労働力を活用できる。同じ民族でない外国人より、拒否感は少ないだろう」

韓国移民学会のユン・インジン会長(高麗大学社会学科教授)はこう指摘する。

また、在外同胞庁は政策活動を通じて、既に国内にいる同胞に対する反感を減らす役割も果たすべきだと強調する。中国同胞(朝鮮族)などに対する誤解が大きくなって韓国社会と同胞の両方に有益でない状況が続いている。これを、在外同胞庁が主管官庁となり、教育やキャンペーンなどによって変えるべきだという。

現在議論されている移民庁が設立されても、在外同胞庁が必要な理由がこれだ。

ユン会長は「今後、移民庁が設立されても在外同胞庁と(さまざまな分野で)役割分担ができる。韓国国民の在外同胞に対する関心は低く、同胞のことをしっかり知ろうとする努力も足らない」と訴える。

移民庁が設立され、本格的な移民政策を施行する前に、在外同胞庁が架け橋の役割を担う機関になる可能性も十分ある。

血縁に対する観念が強い韓国で、生半可に移民庁を設立するより、在外同胞庁を通じて多様な政策を施行し、効果的な政策を選別できるという話だ。

(つづく)

(c)MONEYTODAY

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