
両親による凄惨な虐待の末に生後わずか4カ月で亡くなった「ヘドゥンちゃん(仮名)」の事件で、児童虐待殺害などの罪に問われた実母(34)と、児童虐待放任などの罪に問われた実父(36)の控訴審初公判が、7月7日午前10時50分から韓国・光州高裁で開かれることが決まった。1審は実母に無期懲役、実父に実刑を言い渡したが、双方および検察側が量刑を不服として控訴しており、2審でも激しい法廷論争が予想される。
1審判決などによると、実母は2025年8月から10月にかけて、全羅南道麗水(ヨス)市の自宅で計19回にわたり、息子のヘドゥンちゃんを激しく虐待して殺害したとされる。起訴状に記された虐待の内容は極めて凄惨だ。実母は生後数カ月の乳児に対し、両腕を掴んでベッドに投げつける、頭を掴んで激しく揺さぶる、足を掴んで逆さ吊りにするなどの暴行を日常的に繰り返していた。
事件当日となった10月22日には、ヘドゥンちゃんが排便したことに激高。「お願いだから死んで」と叫びながら約18分間にわたって全身を暴行した上、水を出したままのベビーバスに2~3分間放置して水没させた。ヘドゥンちゃんは搬送先の病院で肺出血などにより死亡。全身23カ所に骨折の痕が見つかった。
動機について捜査当局は、年子(としご)の育児ストレスに加え、夫の非協力的な態度や浮気への疑いから夫婦喧嘩が絶えず、その苛立ちを児童虐待という形で爆発させていたと結論づけた。
1審裁判所は、実母に殺害の「未必の故意」があったと認定し、無期懲役を言い渡した。韓国で2021年に「児童虐待殺害罪」が新設されて以降、他の重大犯罪が絡まない単独の児童虐待事件において、法定最高刑である無期懲役が言い渡されたのは今回が初のケースだ。
一方、虐待を容認していた実父に対しては、量刑基準の上限となる懲役4年6カ月が言い渡された。これに対し検察側は、「実母の凶行は実父の放任とも因果関係がある」として懲役10年を求刑していたため、判決を不服として控訴。被告側もそれぞれ「量刑が重すぎる」として控訴している。
生後4カ月の尊い命が奪われたこの事件は、韓国社会に大きな衝撃と怒りを与えた。1審の段階ですでに裁判所へ6000件を超える厳罰嘆願書が寄せられていたが、2審の初公判期日が決まる前にも、新たに330件以上の追加嘆願書が市民から提出された。被告側は5件の反省文を提出して減刑を試みる構えだが、児童虐待犯罪に対する社会的な処罰感情が高まる中、高裁がどのような判断を下すか注目が集まっている。
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