2024 年 10月 5日 (土)
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[KWレポート] 韓国メタバース最前線 (6)

「まずメタバースで販売」

SKテレコムのメタバースプラットフォーム「イーフランド」グローバルラウンジに実装されたさまざまな人種のアバター(写真=SKテレコム提供)(c)NEWSIS

◇「実際の消費につながる」ブランド相次ぎ

メタバースを通じてブランドの人気が高まっているため、最初からメタバース専用ブランドを発表する企業もある。

韓国のファッション企業F&Fは今年2月、メタバースファッションブランド「スープラ」を発表した。オフラインブランドだったスープラをF&Fが買収し、メタバース専用ブランドに変えたのだ。スープラの特徴はメタバースのアバターの衣装をリアルに購入して着用できるということだ。このため、F&Fは公式オンラインストアを運営している。

ロッテホームショッピングCI(c)news1

ロッテホームショッピングもデジタルファッション「LOV-F」を発売した。ロッテホームショッピングは、自社アプリ内のNFTマーケットプレイスで「LOV-F」の仮想製品を実物商品と連携して販売している。

逆に、現実世界の人気製品をそのまま仮想世界で発表する場合も多い。

ファッションブランドがメタバースに力を入れている理由は、メタバースでの経験が実際の消費につながるためだ。メタバース売り場で満足した製品に対する購買意欲は、実際の売場にもつながるというのがファッション業界の分析だ。

あるファッション業界関係者は「メタバースは、オフライン売り場の敷居を一段階下げる役割をする。仮想世界でなじんだブランドの売り場には、消費者も負担を感じることが少ないようだ」と話した。

この状況に着目し、仮想世界と現実世界の両方で同じ製品を販売するブランドも出てきた。

グローバルファッションブランド「ZARA」がその主人公だ。ZARAは最近、「ライムグラム」コレクションを発売し「ゼペット」はもちろんオンライン・オフライン売り場ですべて購入できると明らかにした。

仮想世界で顧客が気に入った服をあらかじめ着てみるサービスも出た。コーロンFNCの女性ブランド「ラッキーシュエット」は、メタバースプラットフォームである「ラッキータウン」を運営している。仮想現実(VR)体験空間である「ラッキータウン」は、着用姿を360度で見せてくれるサービスだ。これを使えば、顧客は製品を着た時の姿を実際と同じように確認することができる。

(c)gettyimagesBank/MONEYTODAY

◇デジタルファッション、オフライン規模を超えるか

このようにメタバースはファッションブランドが目をつけるプラットフォームに成長した。実際、メタバースなどを通じたデジタルファッションの価値も上昇中だ。米投資銀行モルガンスタンレーは、デジタルファッション産業が2030年までに500億ドル(約6兆9550億円)の価値を有するようになると予想している。

ただ、メタバースが現実世界のファッション産業を越えるには無理があるようだ。メタバースなどを通じた現在のデジタルファッションは、主に実物商品に関心を向けるためのマーケティングに過ぎない。メタバースを通じて、まず商品を発表してオフラインで発売する事前マーケティング戦略として活用しているのだ。

それでもファッション業界は企業のメタバース参入が続くとみている。業界関係者は次のように展望する。

「メタバースは、デジタルプラットフォームを利用して韓国内外への広報が容易だ。これは新型コロナ大流行のような状況で、企業活動にプラスに働いた。一部ブランドはこのような点でメタバースにおいて成功している。これに刺激された企業の追加参入は続くだろう」

(つづく)

(c)NEWSIS

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