2025 年 6月 22日 (日)
ホーム社会「気の持ちよう」が命を左右、末期がん生存率に最大4倍の差…韓国で研究発表

「気の持ちよう」が命を左右、末期がん生存率に最大4倍の差…韓国で研究発表

(c)MONEYTODAY

「心の持ちようで人生が変わる」という言葉が、医学的にも裏付けられた。末期がん患者が危機にどう向き合うかによって、生存率に最大で約4倍の差が出るという研究結果が発表された。

ソウル大学病院家庭医学科のユン・ヨンホ教授、教育人材開発室のユン・ジェヨン教授(精神健康医学科兼務)、韓国外国語大学観光・ウェルネス学部のチョン・ジュヨン教授らの研究チームは、進行性固形がん患者144人を対象に「うつ状態」と「積極的対処戦略(Proactive Positivity)」の相互作用が生存率に与える影響を分析した。

対象者はいずれも全国12の上級総合病院で早期緩和ケア臨床試験に参加した末期がん患者で、病期はステージ4、または再発した高リスク群。いずれも余命が1年以内と予測されるケースだった。

研究では、対処戦略の高さ(高/低)とうつ病の有無(有/無)により患者を4グループに分類し、1年後の生存率を比較した。その結果、対処戦略が低く、かつうつを抱えたグループの死亡リスクは、そうでないグループと比べて4.63倍高かった。一方、対処戦略が高いグループでは、うつ病の有無による有意な差はなかった。

研究チームは「うつそのものよりも、それをどう認識し対応するかが生存を左右する鍵となる。積極的な対処力が高い患者は、うつ状態でも生存率への悪影響を受けにくい傾向があった」と述べた。これは末期がん患者の生存率向上のために、心理的レジリエンス(回復力)を高める介入が必要であることを示唆している。

チョン・ジュヨン教授は「積極的対処力が低く、うつ状態にある患者が最も死亡リスクが高いことを統計的に初めて証明した」と語り、ユン・ジェヨン教授も「うつと対処戦略の双方を評価・改善する精神的介入が、生存率の向上につながる」と強調した。

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