2024 年 11月 25日 (月)
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[KWレポート] カネ儲けしたい人がゲームに押し寄せた (2)

グレーゾーンに置かれたNFTゲーム

アクシー・インフィニティは昨年11月、仮想土地「ジェネシス・プロット」が高額で販売されたと発表した(写真=同社公式Twitter)©MONEY TODAY

「お金を使うゲーム」から「お金を稼ぐゲーム」へ――ゲーム産業の状況が変化しています。韓国のゲーム各社がNFTゲームを新成長エンジンと掲げる一方で、政府はギャンブル性を懸念して躊躇しています。韓国の実情を取材しました。(シリーズ2/4回)

韓国のモバイルゲーム開発会社「スカイ・ピープル(SKY PEOPLE)」は昨年4月からゲーム物管理委員会と法廷闘争を繰り広げている。

ゲーム物管理委が、ゲームアイテムをNFTにすることができるようにしたゲーム「Five Stars for Klaytn」の等級分類の決定を取り消したためだ。

ゲーム物管理委は、NFTをゲーム産業法上「景品」に該当するとして、外部の取引プロセスでNFTが射幸心をあおるように利用されかねないとみているのだ。

だが「スカイ・ピープル」はこう反論する。「これまでゲーム会社が独占してきた利用者の仮想資産をNFTで返すだけだ」

このゲームは、アプリマーケットから削除されたのもの、会社側がゲーム物管理委の行政処分についての仮処分を求める訴訟で勝訴し、サービスを再開した。

◇暗号資産で取引

NFT――デジタル資産に固有認識値を付与するこの技術が、「カネ儲けゲーム」(P2E=Play to Earn)の底辺を拡大するのは間違いない。手塩にかけて育て上げたゲームキャラクターやアイテムをNFTにして暗号資産で取引すれば、付加収益を得ることができるからだ。

NFTゲームの始まりである「クリプトキティーズ(CryptoKitties)」では2017年、「ドラゴン」という猫キャラクターが11万ドルで販売された。最近、ベトナムのNFTゲーム「アクシー・インフィニティ(Axie Infinity)」でも仮想土地「ジェネシス・プロット(Genesis Plot)」が約250万ドルで販売され、歴代最高記録を立てた。利用者らが歓呼する理由だ。

これに「NCSOFT」「ネットマーブル」「COM2US」「ウィメイド」など韓国の主なゲーム会社がNFTに基づくP2Eゲームを「未来の食べ物」として関連投資を拡大している。

ただ、韓国でのサービス可能性については懐疑的だ。現行のゲーム産業法は、偶然の結果によって財産上の損益が発生するゲームを「賭博ゲーム機」と規定しているためだ。また、ゲームで得た「ゲームマネー・アイテム」を両替したり、これを斡旋したりする行為も禁止されている。現金に変えられる商品券を景品として提供して賭博を助長した「海物語」(2004年)のような事件を防ぐためだ。

ゲーム物管理委のキム・ギュチョル委員長も最近、ある討論会で「現行法上、NFTゲームは不可能だ」と釘を刺している。

ブロックチェーンなどの新技術基盤ゲームの等級分類基準を作るとした文化体育観光省も事実上、手を拱いている。同省関係者は「昨年はブロックチェーンゲームがどのような形に発展するか不明だったが、現在はほとんどがゲーム性よりは換金性に集中している。ブロックチェーンゲームに対する社会的合意が形成されていない状況であり、慎重になっているのは事実だ」と述べた。

◇割れるグローバルの視線

韓国だけがNFTゲームを禁止しているわけではない。東南アジアを中心に関連ゲームが盛んだが、現時点では合法でも違法でもない「グレーゾーン」という評価だ。

グローバルゲーム会社の視線も割れている。

米ゲーム開発・販売「バルブコーポレーション(Valve Corporation)」は昨年10月、世界最大のオンラインゲームプラットフォーム「スチーム(Steam)」で、NFTと仮想通貨技術を適用したゲームを登録・配布できなくした。

一方、米ゲーム開発「Epic Games」のティム・スウィーニーCEOは「Epic Gamesストアはブロックチェーンゲームを歓迎する。うちのゲームにはクリプト(仮想通貨)を使わないが、われわれは技術と金融分野の革新を歓迎する」との見解を示した。

米コンピュータゲーム販売「エレクトロニック・アーツ(EA)」のアンドリュー・ウィルソン代表はNFTとP2Eゲームを「われわれの産業の未来」と称する一方で「それがどう動くのかを知るには、まだ早い」と述べ、不確実性に対する懸念も示した。

この状況に対し、韓国のゲーム各社は「韓国が新しいゲームパラダイムを主導する絶好のチャンスだ」と口をそろえる。

さらに現実世界をデジタルに移したメタバース時代でNFTは普遍化するしかないだけに、韓国が「先制的」にNFTゲーム規制を緩和して競争力を強化しなければならないということだ。

韓国モバイルゲーム「COM2US」BF事業部長のコ・ヒチャン氏は最近、韓国コンテンツ振興院が開いたセミナーでこう強調した。

「パソコン・コンソール市場では韓国は海外に比べて開始が遅れたが、ブロックチェーンゲームだけは世界的なスタート地点にいる。成果を出す時点で、制度的な装置を早期に導入し、消費者や生産者が継続してチャンスを得られるよう支援が必要だ」

(つづく)

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