2025 年 3月 19日 (水)
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韓国軍「創軍以来最悪」の誤爆…操縦士個人の過ちなのか [韓国記者コラム]

3月7日、誤爆事故現場(c)news1

韓国空軍が10日発表した京畿道抱川(ポチョン)での戦闘機誤爆事故に関する中間調査結果で、最も頻繁に登場した言葉は「慣行」だった。空軍は、戦闘機の操縦士が自ら座標を入力して自己点検をする「セルフチェック」、さらには指揮官の計画書チェックが不十分だった点について、いずれも「慣行」であったと説明した。

今回の調査によると、操縦士は▽飛行任務計画装置(JMPS)への座標入力時▽飛行データ伝送装置(DTC)を戦闘機に接続し、離陸前に機体を点検する時▽射撃地点で目視により標的を確認する時――の3段階で座標を確認する手順となっていた。

だが、この3段階の点検は、軍が公式に定めた規則ではなく、米軍の方式を模倣しつつ、操縦士らが長年にわたり自ら構築してきた「慣行」に過ぎないという。

部隊の戦隊長や大隊長は、操縦士が作成した計画書を受け取り、標的に関するブリーフィングを確認するだけで安全措置を施していたとされる。筆者は現場すべてを見たわけではないが、指揮官らが安全に関する全ての状況を細部にわたり把握していなかったことは、容易に想像できた。

事実上、操縦士の「個人スキル」に安全の全責任が委ねられていたと見るべきだろう。

問題は、このような空軍の組織そのものに「安全管理システム」が存在しないという点だ。

そのツケを払うのは、まるで青天の霹靂に遭ったような市民だ。実際、中間報告の場で、重傷を負った被害者の一人は空軍参謀総長との面会で「操縦士をあまり責めないでほしい」と語ったという。軍が国民を守るのか、それとも国民が軍を守るのか、分からなくなるほどの状況だ。

もちろん、操縦士に過失がなかったと言うわけではない。軍内部では、座標確認は基本的な業務と見なされており、今回の事故当初、「よく訓練された操縦士がこんなミスをするはずがない」という専門家の分析は、むしろ操縦士の重大な過失を際立たせる結果となった。

しかし、「しっかりとした安全管理システムがある中で個人が犯したミス」と、「まったく管理体制が存在しない状況での個人のミス」を同じように評価することはできない。

空軍は今回の事故の全責任を操縦士個人の問題に矮小化せず、組織としての反省と再発防止策を明確に示すべきである。それが、国民への誠意ある説明となるはずだ。【news1 キム・イェウォン記者】

(c)news1

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