韓国のK-808「白虎(ペッコ)」装甲車がペルーに30台輸出されることが確定し、ユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領のペルー訪問を機に本契約が締結される見通しとなった。これはK-808の初の海外輸出で、韓国製装甲車の中南米市場への初進出となる。
ユン大統領はアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議の出席にあわせて、ペルーの首都リマを訪問している。今回の訪問には防衛事業庁長や現代ロテム、HD現代重工業、韓国航空宇宙産業(KAI)の代表らも同行しており、複数の協力覚書(MOU)締結と防衛協力行事が予定されている。
現代ロテムは、今年5月にペルー陸軍との戦略的パートナーシップ契約を締結し、今回30台のK-808供給を決定した。契約金額は約6000万ドル(約93億5000万円)とされている。K-808は8輪の装甲車で、最大12人の兵員を収容可能。最高速度100km/hで、特殊タイヤによりパンクしても時速48km/hで走行可能。また、河川を時速10kmで渡ることができる水陸両用装備も備える。
HD現代重工業は、ペルーのシマ造船所で3400トン級フリゲート艦1隻、2200トン級沿岸警備艦1隻、1500トン級上陸艦2隻の計4隻を2029年までに共同建造する計6406億ウォン(約710億円)の契約を締結しており、これは中南米における最大規模の防衛艦船契約となる。ユン大統領は建造中の艦船に名板を取り付ける式典に出席する予定で、ペルーは韓国製潜水艦にも関心を寄せている。
さらに、KAIはFA-50軽攻撃機20~24機のペルーへの輸出を目指しており、契約総額は7億8000万ドル(約1215億円)規模に上るとされる。KAIは現地での共同生産や部品生産を視野に入れた基盤作りにも取り組む見込みだ。
関係者は「今回のペルー訪問を契機に、陸・海・空すべての分野でK-防衛産業の成果が期待されている」と述べている。ユン大統領はペルー訪問後、ブラジルのリオデジャネイロで主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に出席する予定だ。
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