2024 年 11月 25日 (月)
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愛犬の性格は品種によって決まるのか

子犬の性格は品種と関連がないという研究結果が出た©news1

ペットの性格と品種の関連はほとんどない――米マサチューセッツ大がこのほど、ペットの品種と行動との関係について研究し、その結果を国際学術誌「サイエンス」で発表した。英紙ガーディアンや米紙ニューヨーク・タイムズなどが伝えた。

研究チームは、1万8385匹のペットの身体的特徴と行動などの反応、2155匹についてゲノムを分析した。その結果、大部分において、ペットの行動などの特性を品種によって説明できなかったという。もちろん、ペットの行動に遺伝的な要素はあるものの、特定品種が人間になついたり、攻撃的になったり、という状況は見極められなかった。

例えば、ラブラドールレトリバーは従来、人間になつきやすい品種とされてきた。それゆえ、同じ品種の遺伝子を持つミックス犬も高い確率で社会性が高くなると予想されたものの、研究の結果、この予想は確認できなかった。

研究チームは、ペットがどう行動するか、品種によって説明できるその特性の割合は約9%に過ぎないという結論を出した。

この数値について、研究を主導したエリナー・カールソン博士は「おおよその予想よりはるかに低い数値」との認識を示したうえ、ペットの行動は、環境的要因や飼い主との関係による影響をより受けやすいと指摘した。カールソン博士は「同じ品種でもペットは多様な行動を見せる。品種の遺伝よりも、目の前の愛犬そのものに関心を持つべきだ」と話した。

ただ、特定品種のいかなる行動も予測できないという意味ではない。

カールソン博士によると、ボーダーコリーと「養子縁組」する場合、グレート・ピレニーズよりも容易に訓練できるという。また「ボーダーコリーはおもちゃに関心を持つ確率が高い」という傾向もあるようだ。

リンカーン大のダニエル・ミルズ教授(獣医行動学)は、遺伝は個体に影響を与えるものの、遺伝だけですべての行動を予測するのは難しい、と指摘する。そのうえで「ペットが見せる潜在的に危険な行動は、遺伝的メカニズムではなく、成長と環境に起因する」との見解を明らかにしている。

カールソン博士によると、今回の研究は数年前、気性の激しいペットの行動を研究するために始まったという。

「ペットは、人間の精神と行動障害を治癒してくれるため、人間にとって身近な存在だ。ペットが鳴いたり、吠えたりする理由を理解することで、人間の行動遺伝学を理解するのに役立つことを希望する」

©news1

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