
韓国を訪れる外国人観光客が急増している一方で、済州の空の便が停滞している。観光業界や済州道庁などによると、済州国際空港はインフラ拡充工事を終えたにもかかわらず、航空機の時間当たり離着陸回数(発着枠)が7年にわたり35回に据え置かれたままだ。安全上の理由から国土交通省が拡大を認めず、高付加価値な外国人観光需要を取り込めない状態が続いている。
現在、済州空港では運航可能時間内に1分40秒から2分に1機の割合で航空機が離着陸しており、道庁関係者は「事実上、世界で最も忙しい空港の水準だ」と指摘する。国土交通省は発着枠を40回に増やすため、2015年から高速脱出誘導路の新設や旅客ターミナルの増築など大規模なインフラ事業を進め、2019年に工事を完了した。しかし、滑走路と駐機場の間隔が狭く、移動速度を上げるのが難しいとして、現在も上限は35回のままだ。
発着枠の飽和による経済的損失は無視できない。発着枠を1回増やすだけで年間6000便以上、110万席以上を追加供給できる。2025年基準の外国人観光客の1人当たり平均消費支出額(約125万~130万ウォン)から試算すると、年間1兆5000億ウォン(約1650億円)以上の経済効果が見込めるという。ホテル業界からは、MICE(国際会議や展示会など)の大規模団体市場で航空便が足りず、目的地を別の国に変更されるケースが出ているとの悲鳴も上がる。
一方で、経済効果だけを理由に国際線の比率を増やすことも困難だ。限られた枠を国内線と分け合わなければならないため、国際線を増やせば本土と往来する島民の国内線が減る「ゼロサムゲーム」になる。現在、中国の直行便は12都市にとどまり、内陸部の大都市からの需要が相次いでいるものの、チャーター便1便を追加する余裕さえない。観光業界関係者は、直行便が限られる日本や東南アジアからの観光需要を取り込むためにもチャーター便の増便は波及効果が大きいとみるが、対応は足踏みしている。
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