2026 年 6月 10日 (水)
ホーム政治1日で220万円超…韓国の選挙デモを「絶好の稼ぎ場」にする極右ユーチューバー、投げ銭狂騒曲の裏側

1日で220万円超…韓国の選挙デモを「絶好の稼ぎ場」にする極右ユーチューバー、投げ銭狂騒曲の裏側

8日、ソウル松坡区のオリンピック公園ハンドボール競技場の開票所前に集まった市民らが再選挙を求めて声を上げている(c)news1

韓国の統一地方選挙で発生した投票用紙の不足問題を巡り、ソウル市内の開票所周辺で続く抗議デモが、インターネットの極右系動画配信者(ユーチューバー)らの「絶好の稼ぎ場」と化している。デモの現場から「不正選挙」を声高に叫ぶ刺激的なライブ配信をすることで、視聴者からの巨額の「投げ銭(スーパーチャット)」を誘発。事実確認のない陰謀論を煽って暴利をむさぼる実態に対し、専門家からは世論を歪めかねないとの批判が出ている。

ユーチューブの統計分析サイト「プレイボード」によると、開票所となっているソウル市松坡(ソンパ)区のオリンピック公園周辺に約3万人が集まった6日、韓国内の投げ銭ランキングで上位1〜5位を極右系の保守ユーチューバーが独占した。この5チャンネルがわずか1日で得た収益は、計2000万ウォン(約220万円)以上に達している。

なかでも登録者15万人のユーチューバーは、開票所前からの生配信で1日に585万ウォン(約64万円)を稼ぎ出しトップとなった。また、別の登録者20万人の配信者は、投票所から開票所への移動を3日間にわたり追跡生中継し、計994万ウォン(約109万円)の投げ銭を得た。この金額は、同氏の平時の月間収益の約3倍に相当する。これらは公開されたデータに過ぎず、個人口座への直接の寄付金なども合わせれば、実際の収益はさらに膨らむとみられる。

問題は、これらの配信者が利益を最大化するため、デモの主張を過激化させている点だ。デモ現場には当初、純粋に参政権の侵害を怒り政治色を排除した「再選挙」を求める若い世代が多く集まっていた。しかし、過激な主張を好む固定視聴者(登録者)を抱えるユーチューバーらは、「再選挙を求めるだけの奴らは事態を縮小させようとしている。今叫ぶべきは『不正選挙』だ」などと現場で煽動。より多くの投げ銭を得るために、根拠のない陰謀論を前面に押し出す戦略をとっている。

こうした過激な動きは、現場の空気も変えつつある。6日には、イ・ジェミョン(李在明)大統領への名誉毀損容疑で韓国当局から出国停止処分を受け、米トランプ前政権下で高官を務めた韓国系米国人のモース・タン米リバティ大学教授がデモ現場に登場。同氏が「中国や北朝鮮が不正選挙の背後にいる」との趣旨の発言をすると、現場は米大統領選の不正選挙論者が用いる「盗みを止めろ(Stop the steal)」や「USA」といったシュプレヒコールで埋め尽くされた。

選挙管理委員会への不信に乗じた極右ユーチューバーのビジネス化に対し、西江大学のユ・ヒョンジェ教授(新聞放送学科)は「一部の配信者は、過去の裁判所乱入騒動の際と同じような過激な表現を使って大衆を煽っている。未確認の情報を流し、彼らが多額の投げ銭を受け取る陰謀論のビジネス化を放置すれば、社会の健全な世論形成は麻痺してしまう」と警鐘を鳴らしている。

(c)news1

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