2026 年 6月 10日 (水)
ホーム社会酒やたばこを削ってでも…韓国で低所得層の宝くじ購入が60%超の爆増

酒やたばこを削ってでも…韓国で低所得層の宝くじ購入が60%超の爆増

ソウル市蘆原区の宝くじ販売店(c)news1

物価高と高金利の長期化に伴い、住居費や食費、ローン利息の負担が重くのしかかるなか、韓国の低所得層の間で宝くじの購入金額が急増していることが分かった。生活必需的な支出の増加に圧迫され、酒やたばこなどの嗜好品消費を切り詰める一方で、一攫千金に望みを託す「不況型消費」の様相が鮮明になっている。

国家データ処の国家統計ポータルによると、2026年第1四半期(1〜3月)において、所得が最も低い下位20%(第1分位)の世帯が購入した宝くじの月平均支出額は428ウォン(約47円)で、前年同期と比べて60.8%の大幅増となった。一方で、中間層(第3分位)は15.4%減、最上位20%(第5分位)も21.2%減となっており、宝くじ消費の拡大が全階層ではなく、低所得層に極端に集中している実態が浮かび上がった。

一般に景気の低迷期には、外食やレジャーなどの一般的な消費を抑える半面、少額の費用で大きなリターンを期待できる宝くじへの依存が高まる傾向がある。今回の調査でも、低所得層の家計における深刻な防衛本能が確認された。第1分位世帯の酒類への支出は前年同期比9.0%減の6974ウォン(約770円)、たばこへの支出も11.8%減の1万4843ウォン(約1630円)とそれぞれ減少した。必須支出の増加を前に、まずは手軽な嗜好品から買い控えを進めている形だ。

背景には、困窮を極める家計事情がある。同期間、実質基準における第1分位世帯の月平均所得は98万8214ウォン(約10万8700円)で、前年同期比0.6%の微増にとどまった。しかし、物価高から家計支出は4.9%増の142万6387ウォン(約15万6900円)へと膨らみ、所得の伸びを大きく上回った。内訳をみると、食料品・非酒類飲料が3.3%増、住居費が6.6%増となったほか、住宅ローンや信用貸付などの利息費用が23.9%と急増している。これにより同世帯の赤字額は43万8174ウォン(約4万8200円)に達し、2019年以降で最悪の規模を記録した。

また、資産市場の二極化もこうした心理に拍車をかけている。最近の韓国総合株価指数(KOSPI)の大幅な上昇により国内の投資熱は続いているものの、原資に余裕のない低所得層はその恩恵を受けづらい。漢城大学経済学科のキム・サンボン教授は「株式市場の好況を牽引する半導体株などは高額で、低所得層の所得水準では手が届きにくい。投資市場に参加できない層が、代替手段として少額から始められる宝くじを選んでいる」と分析する。

(c)news1

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