
「ヘイ、メタ。この案内文を翻訳して」
「フランス語で『営業中です』と書かれています」
眼鏡をかけるだけで、スマートフォンを使わずに人工知能(AI)に質問できる時代が到来した。イヤホンがなくてもAIの音声は自分にだけ聞こえ、手がふさがっている時も声だけで情報を探せる。独り言を言っている人のように見えるかもしれないというリスクさえ受け入れれば、利便性は極めて高い。
米メタは、世界的なアイウエア企業エシロールルックスオティカと共同開発したAI眼鏡「レイバン・メタ第2世代」と「オークリー・メタ」の2モデルを、先月25日に韓国で発売した。
外観は一般的なサングラスやゴーグルに近く自然なデザインで、日常生活で違和感なく使用できる。一般的な製品より少し重みはあるが、長時間の着用にも支障はない。最大の特徴はAI機能だ。メタの大規模言語モデル(LLM)「ミューズスパーク」で作動するAIアシスタントアプリ「メタAI」と連動して使用する。
眼鏡を着用して「ヘイ、メタ」と呼びかけると、フレーム外側のカメラが物体を認識し、AIが分析してスピーカーで回答する。スマホを取り出さずに質問や写真撮影、情報検索が可能だ。なお、レンズへのディスプレー表示機能はなく、音声でのやり取りとなる。
最も便利なのは、周囲を見ながら音声で対話できる点だ。ミューズスパークはテキスト、音声、画像を同時に理解する「マルチモーダル」モデルのため、利用者の視界をリアルタイムで分析する。本を見ながら内容の要約を求めたり、果物を見せて「血糖指数を教えて」と尋ねたりすると、即座に認識して音声で解説してくれる。
回答は眼鏡のつるに内蔵されたオープンイヤー型スピーカーから流れる。周囲の人にはほとんど聞こえず、着用者にははっきり伝わる仕組みだ。音量はつるの外側を指でなぞって調節する。靴を見せて合う服装のコーディネートを提案してもらうなど、すべての動作がスマホ操作なしの音声会話だけで完結する。
通常の写真や動画撮影は、アプリと連動していなくても「写真を撮って」と指示するだけで可能だ。1200万画素の超広角カメラを搭載し、高画質な撮影に対応する。プライバシー侵害への懸念に配慮し、カメラ作動時には前面のled表示灯が自動で点灯する仕組みも備えた。
さらに、ベータ版(試用版)として実装されたリアルタイム通訳機能では、英語話者との会話をほぼ正確に通訳してスピーカーから流すことができた。発話後に3秒ほどのタイムラグはあるものの、実用性は高い。メタAIグラスは従来の欧州言語に加え、新たに日本語や韓国語などにも対応した。ただ、韓国での発売初期ということもあり、韓国語の認識や回答に一部でエラーや遅れも見られ、今後の改善点となりそうだ。
メタコリアのキム・ジナ代表は「すべての人のためにパーソナライズされたスーパーインテリジェンスAI体験を目標に開発した。単に質問に答えるだけでなく、利用者を深く理解し、必要な業務を先回りして遂行する賢い秘書の役割を果たすだろう」とコメントしている。【news1 シン・ウンビン記者】
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