
北朝鮮と中国の関係修復の動きが見られるなか、習近平国家主席が約7年ぶりの訪朝を確定させ、北朝鮮の「習近平氏の出迎え」、つまり儀礼の水準が中朝関係の現在地を見極める物差しになるとの見方が出ている。
2019年、北朝鮮は1泊2日の日程で平壌に滞在した習主席のため、賓客用の宿舎を新たに建設した。今回もそれに匹敵する最高級の儀礼を用意し、両国関係を大きく誇示するとの見通しがある。ロシアとの密着を最高水準に引き上げた北朝鮮が、中国にも誠意を示し、強力な友好国を確保するという観測だ。
習主席は8日に訪朝し、1泊2日の日程をこなす。習主席の訪朝は2019年6月以来、約7年ぶりで、両首脳の会談は、2025年9月にキム総書記が中国の戦勝節80周年記念行事に出席するため北京を訪問して以来、約9カ月ぶりとなる。
今回の訪朝は中朝双方にとって大きな意味を持つ。中国としては、ここ2年間続いた朝ロ軍事協力により中朝関係が比較的疎遠になったとの評価が出るなか、北朝鮮との関係を管理し、両国関係の健在ぶりを対外的に示す必要がある。
特に、先月、北京で米中、中ロ首脳会談を相次いで実施した習主席がすぐに訪朝日程を確定したことは、「反米連帯」を固めると同時に、朝鮮半島問題の主導権を握ろうとする意図と読まれている。
北朝鮮は今回の首脳会談を、中国とロシアという大国がいずれも自国の後ろ盾にいることを内外に示す機会にするとみられる。貿易、人的交流、観光などの分野で経済協力を拡大する一方、「核保有国の地位」に対する中国側の事実上の支持と承認を引き出すことに集中する見通しだ。
さらに7月11日は、中朝が「中朝友好協力相互援助条約」を締結してから65周年にあたる。社会主義国は一般に5年、10年単位の記念日を重視するため、今回の習主席訪朝を前に北朝鮮がこれまで以上に高い水準の儀礼を準備したとの観測もある。
キム総書記の執権後、習主席が初めて訪朝した2019年6月、北朝鮮は「前例のない水準」の儀礼を提供した。当時、キム総書記は妻リ・ソルジュ氏、妹のキム・ヨジョン(金与正)朝鮮労働党部長ら高官とともに平壌国際空港で習主席夫妻を出迎えた。空港では最高礼遇を意味する21発の礼砲発射、両国国歌の演奏、儀仗隊査閲を含む大規模な歓迎式が開かれた。
その後、習主席とキム総書記はオープンカーに同乗し、平壌市内を通って錦繍山太陽宮殿までパレードした。沿道では大勢の平壌市民が花を振って歓呼した。動員された市民は25万人規模だったとされる。
北朝鮮は錦繍山太陽宮殿の広場でも、もう一度歓迎式を盛大に開いた。歓迎行事を2回開くこと自体が異例だったうえ、錦繍山太陽宮殿の広場で歓迎式を受けた外国首脳は習主席が初めてだったため、大きな話題となった。
ただ今回は、公式歓迎式が平壌の金日成広場で開かれる可能性もある。米国の北朝鮮専門メディアNKニュースは最近、衛星写真などをもとに、金日成広場で1カ月前まではなかった構造物の工事が確認されたと報じた。この構造物は、過去にプーチン露大統領やベラルーシのルカシェンコ大統領が平壌を訪れた際、歓迎式で使われた観覧台があった場所だという。
2019年当時、北朝鮮は習主席の訪朝を前に、賓客用宿舎「錦繍山迎賓館」を新築した。それまでは韓国のムン・ジェイン(文在寅)元大統領を含む外国首脳が主に「百花園迎賓館」に宿泊していたが、老朽化した迎賓館に代わる新たな首脳級宿舎を建て、最初の客として習主席を迎えた。
その後、錦繍山迎賓館は北朝鮮を代表する国賓宿舎として使われている。2024年に訪朝したプーチン大統領と最近訪朝したルカシェンコ大統領もここに宿泊した。習主席も同所に滞在する可能性が高い。
習主席は到着当日の8日、錦繍山迎賓館でキム総書記と首脳会談を開くとみられる。その後、晩さん会や記念公演の観覧などが続く見通しだ。7年前、習主席はキム総書記と平壌・綾羅島の「5月1日競技場」で、10万人余りが動員された大規模な集団体操と芸術公演を観覧した。当時、北朝鮮はカードセクションで習主席の顔を作る「特別公演」を披露した。
北朝鮮が習主席に、2024年6月に訪朝したプーチン大統領よりも手厚い儀礼を提供するかも注目点だ。当時、プーチン大統領は予想よりはるかに遅い午前3時ごろ平壌国際空港に到着したが、キム総書記は最後まで待ち、自ら出迎えた。ただ、リ・ソルジュ氏やキム・ヨジョン氏、チェ・ソニ(崔善姫)外相を含む高官は姿を見せず、空港で別途歓迎式もなかった。
翌日午後、北朝鮮は金日成広場で大規模な歓迎行事を開き、その後、両首脳は錦繍山迎賓館で約1時間半の拡大会談と2時間半の単独会談を開いた。
北韓大学院大学のヤン・ムジン碩座教授は「今回の習近平氏の訪朝は単なる親善訪問というより、中朝協力を再稼働する契機に近い。北朝鮮がこれを大々的に宣伝し、最高水準の礼遇を示すと予想される。キム・ジョンウン氏の娘ジュエ氏が歓迎行事などに参加し、習近平主席と会う場面が演出される可能性もある」と述べた。
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