
「きょうが故人の誕生日です。休むこともできず、難しい現場ばかりを回り続け、今回ここを終えて定年退職するつもりだったのに」
ソウル市中区の国立中央医療院葬儀場に27日午前11時ごろ、西小門高架車道崩落事故で亡くなった現場管理所長の60代男性の弔問所が設けられた。
男性の義理の兄は現場管理所長について「誰よりも誠実だった」と話した。義理の兄によると、所長は早くに両親を亡くし、3兄弟の家の大黒柱として、結婚後は2人の息子と1人の娘を支える父親として家庭を守ってきた。
1週間前に所長と電話で話したという義理の兄は「大きな工事なので大変だと聞いた」「近いうちに現場が少し落ち着いたら会おうと言っていた」とため息をついた。
所長のいとこは、ぼうぜんと遠くを見つめながら「考えたこともなかった。こんなことになると誰が思っただろうか。厳しい幼少期を過ごし、誠実さ一つで所長の地位まで上がった」とも話した。
同日午前、ソウル市瑞草区のソウル聖母病院葬儀場では、西小門高架車道崩落事故の別の犠牲者の弔問所が整う前から、弔問客が待っていた。弔問所の主は、韓国国内の構造物安全分野の権威とされる50代男性だった。男性は、ソウル市と現場関係者らとともに高架撤去に関する安全点検に出向き、事故に遭った。
早く弔問に訪れた知人は「妻同士がとても親しい間柄だ。故人の妻がつらい状況のなか、あまりに大きな衝撃を受けているため、さらに事故が起きないかと思い、そばについている。遺族は調査する能力もなく、今は葬儀に集中しなければならない。私たちとしては、どうしてこのような事故が起きたのか、もっと詳しく知りたい。市と施工会社が互いに明らかにすべき部分が残っているはずだ」と訴えた。
知人が怒りをにじませる間、待合室前のモニターには、穏やかにほほ笑む遺影が映し出された。弔問所の中では遺族がティッシュで口を押さえ、悲しみに泣いていた。
この日、弔問所には哀悼と弔意を示すため、ソウル市長候補者らの訪問が相次いでいる。
西小門高架車道撤去現場の崩落事故は26日午後2時33分ごろ発生した。撤去現場の上部床版が落下し、首席エンジニアリングの監理団長、現場管理所長、外部専門家の計3人が死亡し、3人が負傷した。
捜査機関は真相解明を急いでいる。警察はソウル警察庁広域捜査隊長をチーム長とする約50人規模の専従捜査チームを編成し、ソウル西部地検は重大災害事件の専従部署である刑事5部所属の検事と捜査官で専従チームを組んだ。
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