
ソウルの中心部を流れる漢江(ハンガン)の汝矣島(ヨイド)地区が、外国人旅行者の新たな定番観光ルートとして注目を集めている。地上130メートルからソウルの街並みを一望できる係留式ヘリウム気球「ソウルダル(ソウルの月)」と、水上を走る新たな移動手段「漢江バス」の二つのコンテンツが相次いで投入され、国内外の観光客を呼び込む強力な夜間・水上観光の柱として定着しつつある。
汝矣島公園の芝生広場から最大130メートル上空まで垂直上昇する「ソウルダル」は、外国人旅行者の間で「ソウルを訪れたら絶対に体験すべきリスト」として脚光を浴びている。
ソウル観光財団によると、運行を開始した2024年に24%だった外国人搭乗客の比率は、2025年には40%へ急増し、今年4月時点では44%にまで上昇した。正式開業からの累計搭乗客数は3万6000人に達している。
この人気の背景には、海外メディアの報道やSNSでの口コミがある。同財団関係者は「アジア圏のメディアからの撮影問い合わせが相次いでいる」とした上で、「特に人気グループ『BTS(防弾少年団)』のジンさんと、日本の人気アイドルグループ『嵐』のメンバーが番組の収録などで同乗したことが世界中のファンの間で話題となり、日本人観光客の利用が爆発的に増えた」と明かす。
ソウルダルは現在、海外の主要なオンライン旅行予約サイトから日本語などで手軽に予約できる。利用料金は大人2万5000ウォン(約2750円)。
ソウルダルと並び、観光客の関心を集めているのが「漢江バス」だ。
麻谷(マゴク)や汝矣島、蚕室(チャムシル)など漢江沿いの主要7カ所の船着き場を結ぶ水上交通で、計12隻の環境配慮型船舶(ハイブリッド船8隻、電気推進船4隻)で運航されている。急行便を利用すれば、汝矣島から江南圏の蚕室までわずか30分で移動が可能だ。
元暁(ウォニョ)大橋や盤浦(バンポ)大橋など、漢江に架かる名所の橋の下をくぐり抜けながら、自動車や地下鉄とは異なる視点でソウルの高層ビル群や風景を眺められる点が受けている。運行会社によると、付帯施設での海外クレジットカードの利用比率はすでに約35%に達しており、外国人利用者が急速に増えているという。利用料金は片道3000ウォン(約330円)。
この二つの新名所がいずれも汝矣島を拠点にしていることから、効率よく観光を楽しめる「ワンストップ1日コース」が自然と形作られている。
例えば、地下鉄駅からのアクセスが良い汝矣島の船着き場で漢江バスを下車した後、周辺の店舗で韓国名物のフライドチキンとビールを楽しむ「チメク」を満喫。その後、徒歩で移動して夜間にソウルダルへ搭乗し、きらめく夜景を眺めるといった流れだ。週末などには午前中からソウルダルに乗り、その後に漢江バスで江南圏の観光地へ移動する「逆ルート」を選ぶ観光客も多い。
ソウル観光財団は「昼と夜、季節ごとに刻々と変わるソウルの景観を立体的に楽しめるのが最大の魅力。多様な国籍の旅行者が何度も訪れたくなるよう、今後も夜間観光のマーケティングを強化していく」としている。
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