
北朝鮮の植樹行事で、高官が海外の高級ブランド衣料を着用していたとみられる場面が確認され、国際制裁下でも続くエリート層の外国製品消費に改めて関心が集まっている。
対外宣伝用月刊誌「朝鮮」4月号は、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記が3月に平壌で幹部らとともに植樹活動を実施した様子を伝えた。写真には軍や党の主要人物が参加し、植樹作業にあたる姿が収められている。
このうち、チェ・ソニ(崔善姫)外相とみられる人物が着用していた黒いダウンジャケットが注目を集めた。袖の金属ロゴやデザインから、カナダの高級ブランド「ムース・ナックルズ」製と推定されるという。高額商品の部類に入るとみられ、今回も北朝鮮エリート層による高級外国製品の使用を示す事例と受け止められている。
北朝鮮は公式には「自力更生」や国産品の使用を強調しているが、最高指導部や高官の服装、装飾品をめぐっては、こうした方針とのズレがたびたび指摘されてきた。
実際にキム総書記についても、スイス製の高級時計を着用しているとの見方が出てきた。妻リ・ソルジュ(李雪主)氏や実妹のキム・ヨジョン(金与正)党総務部長についても、海外ブランドのバッグや衣類を身に着けていた事例が報じられている。
今回のケースは、長期化する対北制裁の中でも、特定のエリート層において外国製高級品の流入と消費が一定程度続いている現状を示すものとみられる。
一方、北朝鮮メディアはこの行事を「愛国心」と「革命伝統の継承」を象徴する取り組みとして強調している。質素さや人民重視を掲げる公式メッセージと、指導部周辺の実際の消費実態との隔たりも改めて浮かび上がった。
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