
韓国でプラスチック原料の供給不安を背景に、飲食店などで使われる包装容器の不足が深刻化している。特にデリバリー依存度の高い小規模事業者にとっては死活問題となっており、現場では「容器がなければ営業できない」との切実な声が上がっている。
ソウル市龍山区で韓国料理店を営む男性(64)は「事前に在庫は確保したが、次の注文分は入荷の見通しが立たない」と語る。配達注文に頼って経営を維持しているだけに、「容器が尽きれば店を閉めるしかない」と不安をにじませた。
近隣でカフェを経営する店主も「業界では使い捨てカップの確保が最優先課題になっている」と話す。仕入れ業者から供給不安の通知が出たことで、事業者の間では不安が広がり、買いだめの動きも出ているという。
実際、オンラインの包装資材販売サイトでは弁当容器やスープ容器などの主要商品が相次いで品切れとなり、一部業者は購入数量の制限に踏み切っている。原油価格の上昇や原材料不足により製造コストも急騰し、価格引き上げも進んでいる。
デリバリー比率が高い店舗ほど影響は大きい。売り上げの約3割を配達に依存する飲食店では「容器がなければ営業そのものが成り立たない」との声も上がる。数百万円分を先行確保するなど、「争奪戦」に近い状況も生まれている。
こうした供給不足とコスト上昇の二重の負担を受け、政府も支援に乗り出した。中小ベンチャー企業省は、売り上げが15%以上減少した事業者に対し最大7000万ウォン(約770万円)の緊急資金を提供するほか、低利融資の拡充や保証制度の強化を進める。また、燃料費や電気料金に充てられるバウチャー支給なども進める方針だ。
ただ、現場では「根本的な供給安定がなければ問題は解決しない」との指摘も多く、事態の長期化が懸念されている。
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