
北朝鮮が中国との鉄道や航空路線を相次いで再開する一方、代表的な国際行事である平壌国際マラソンを突然中止したことで、その意図に注目が集まっている。
中国当局は今月、丹東―平壌間の列車を1日1往復、北京―平壌間を週4往復で運行すると発表した。さらに中国国際航空も今月末から北京―平壌路線の運航再開を予定している。中国の旅行会社も北朝鮮観光商品の販売を始め、人の往来拡大の動きが具体化している。
しかしこれと対照的に、外国人観光客にも人気の平壌国際マラソンは開催直前に中止が発表された。すでに参加者募集と参加費の支払いが完了していたにもかかわらず、全額返金されたという。
専門家はこうした対応について、北朝鮮が外部との交流を全面的に再開するのではなく、「選別的開放」を進めている可能性が高いと指摘する。統制が比較的容易な中国との交通や物流は再開する一方、多数の外国人が一度に集まる国際イベントは統制や防疫の負担が大きいため回避したとみられる。
実際、中朝貿易は回復傾向にある。中国税関総署によると、2026年1〜2月の両国の貿易額は前年同期比で約20%増となり、2025年通年でも大幅な増加を記録した。
一方で、北朝鮮は他の国際イベントでも消極的な姿勢を見せている。平壌で開催予定だった卓球大会はビザ発給の遅れなどを理由に中止されており、外国人受け入れに慎重な姿勢が続いている。
背景には国際情勢の不安定化や、新型コロナウイルス以降も続く厳格な防疫意識があるとみられる。過去にも感染症拡大を理由に外国人参加を制限した事例があり、今回も同様の判断が働いた可能性がある。
ただ観光分野では、中国人客の受け入れ拡大が鍵を握る。北朝鮮が整備を進めてきた元山葛麻海岸観光地区の活用には、中国からの観光需要が不可欠とされるためだ。
制裁下で欧米などからの観光客誘致が難しい中、北朝鮮は今後も中国を軸に限定的な開放を進めていく可能性が高い。
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